アンチエイジング効果に期待!栄養士おすすめの抗酸化作用がある食べ物とは?

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40代後半、50代になり更年期に入ったらメイクでは隠し切れないシワ、シミ、くすみが気になるなどお肌のお悩みを抱えていませんか?女性なら年齢を重ねてもいつまでも美しい肌でいたいと思いますよね。
今回は、肌の老化原因の一つの「酸化」いわば「体のサビ」を防ぐ「抗酸化作用」のある食べ物をご紹介します。

老化の原因となる活性酸素とは?

アンチエイジングという言葉を耳にすることが増えました。若返り、不老不死のようなイメージをもっている方もいらっしゃるかと思いますが、アンチエイジングとは日本語で抗加齢、抗老化と訳され、加齢と共に起こる心身の衰えを防ぎ、いつまでも若々しく健康長寿を目指すアンチエイジング医学など医療として用いられることもあります。

10年後、美肌を保ち健康な身体で元気に過ごせるために「酸化」を抑えましょう。
人間は、呼吸によって酸素をとり込みエネルギーを産生しているのですが、外部からさまざまな刺激を受け、老化の原因となる「活性酸素」が常に生じています。白血球から産生される「活性酸素」のスーパーオキシド、過酸化水素などは、体内の免疫機能や感染防御の重要な役割を担っているため、体内から完全に消去すればよいということではありません。しかし、過度な運動、強いストレス、喫煙、アルコール、排気ガスなどの環境汚染、偏った食事などが原因で「活性酸素」が、増えすぎると細胞が「酸化」した、いわば「体のサビ」が、お肌の悩みをはじめとした老化を促進するだけではなく、ガン、動脈硬化ならびに生活習慣病を引き起こす要因になります。
「活性酸素」によって「酸化」を抑えることを「抗酸化」、「活性酸素」を抑える働きのことを「抗酸化作用」といいます。
人間の身体にはもともと「活性酸素」から体を防御するカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの「抗酸化酵素」を作る仕組みがありますが、「抗酸化酵素」を作り出す力は、加齢と共に低下します。若返ることはできませんが、日々の食事に気をつけ、「抗酸化作用」のある栄養素をとれば、アンチエイジングを目指すことができますよ。

<参考>
e-ヘルスネット『抗酸化ビタミン』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
e-ヘルスネット『活性酸素』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-041.html
e-ヘルスネット『活性酸素と酸化ストレス』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html
株式会社西東社 監修飯田薫子、寺田あい『一生役立つ きちんとわかる栄養学』2020年3月25日発行
株式会社学研プラス 監修白鳥早奈英『最新版 知っておきたい栄養学』2018年10月12日発行

抗酸化作用のある栄養素とは?

抗酸化作用があるビタミンACEなどを日々の食事に取り入れてアンチエイジングを目指しましょう!

  • ビタミンA

パプリカ、トマト、カボチャなどの緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、橙色の色素成分です。体内で必要量に応じてビタミンAに変換され、活性酸素を取り除く働きがあります。

ビタミンAは皮膚や目の健康をサポートする働きがあり、粘膜を正常に保つ働きもあるため、感染症などを予防し、免疫力を高める効果が期待できます。
また、細胞の成長や分化に働き、美肌を保つために必要な栄養素です。β-カロテンは、油と一緒にとると吸収率が高まるので、炒め物、揚げ物、サラダにドレッシングをかけて食べるとよいでしょう。

  • ビタミンC

ブロッコリー、じゃがいも、みかんなどの柑橘類に含まれるビタミンCは、たんぱく質の一種コラーゲンを合成するために重要な役割を担っています。
美肌作りに必要なビタミンCですが、水溶性ビタミンのため体内に蓄積できず、一度にたくさんとっても余過剰分は、尿と一緒に排出されるので毎食摂るようにしましょう。

牛すじ、手羽先、軟骨などに多く含まれるコラーゲンですが、そのままコラーゲンの材料にはなりません。消化の過程で分解され、再合成されることでコラーゲンが作られます。その合成を促す働きがあるのがビタミンCです。コラーゲンが豊富に含まれる食材とビタミンCを一緒にとると、より美肌効果が期待できますよ。コラーゲンは、筋肉、皮膚、骨などを丈夫にするのにも役立ちます。

水溶性のビタミンCは、熱に弱く水に溶け出しやすい性質があります。加熱調理をする際は、さっと茹でる、炒める、茹でた野菜を流水に長く浸けないように気をつけてくださいね。
ビタミンCにも活性酸素を取り除く働きがあり、酸化を抑えます。

  • ビタミンE

アボカド、ナッツ、ゴマなどに含まれるビタミンEにも強い抗酸化作用があり、活性酸素を取り除く働きがあります。また、末梢血管をひろげ、血行を良くする働きもあることから、血行不良による肩こり、冷え性などの改善効果が期待できますよ。
ビタミンEは米油、なたね油などの植物油にも含まれています。ビタミンEを含む油で炒め物を作ると手軽にビタミンEがとれますよ。
植物油は、時間が経つと酸化しやすい性質があるため、保存する場合は冷蔵庫に入れ、空気と光に当てないようにしてなるべく早く使いきるようにしましょう。

  • ポリフェノール類

ポリフェノールは、植物が紫外線などの刺激から身を守るために、光合成によってできる植物の色素や苦味成分です。主に皮の部分に多く含まれているので野菜、果物を食べるときは、皮ごと食べるようにしましょう。

ポリフェノールは、数百種類の食べ物に存在し、その数は約4000種類もあるそう。種類により独自の働きがありますが、全てのポリフェノールに抗酸化作用が備わっています。
ほとんどの植物に含まれていますが、ポリフェノールといっても、赤ワインやブルーベリーなどの青紫色の色素に含まれる「アントシアニン」、紅茶や緑茶に含まれる苦味成分「カテキン」、特に玉ねぎの皮に豊富に含まれる「ケルセチン」、大豆などに含まれる渋みやえぐみ成分の「サポニン」、ゴマに含まれる「セサミン」というように食材ごとに種類があります。
手軽にとることができる食材に含まれていますよね。

  • カロテノイド

カロテノイドは、魚介、野菜、果物に含まれる赤、オレンジ、黄色、赤色、紫色の色素成分です。

カロテン類とキサントフィル類に大別され、強い抗酸化作用があり、体内でビタミンAに変換されるものもあります。植物性食品、動物性食品の両方に含まれ、代表的なカロテン類は、緑黄色野菜に含まれる「β-カロテン」、トマトやスイカなどの赤い色素成分「リコピン」。

代表的なキサントフィル類は、ブロッコリー、とうもろこしなどの黄色の色素成分「ルテイン」、サケやエビなどの赤い色素成分「アスタキサンチン」があります。

カロテノイドは、脂溶性のため油と一緒にとると吸収率が高まりますよ。種類はさまざまですが、色々な食べ物をとることでより効果が期待できるでしょう。

e-ヘルスネット『抗酸化物質(こうさんかぶっしつ)』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
e-ヘルスネット『カロテノイド(かろてのいど)』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html
株式会社西東社 監修飯田薫子、寺田あい『一生役立つ きちんとわかる栄養学』2020年3月25日発行
株式会社学研プラス 監修白鳥早奈英『最新版 知っておきたい栄養学』2018年10月12日発行"

春キャベツと手羽元の煮物

春キャベツと手羽元の煮物

鶏肉の皮や骨のまわりには、コラーゲンがたっぷり!キャベツには、コラーゲンの合成に欠かせないビタミンCが含まれています。

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れんこんとかぼちゃのサラダ〜はちみつビネガードレッシング〜

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カボチャには、β-カロテンの他、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEが含まれています。1皿でビタミンACEがとれます。

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美肌を保つ食・生活習慣

何を食べているのか、何を食べていないかで肌や健康の状態は大きく左右されます。私達の体は、食べたもので作られています。

美肌を保つために欠かせないビタミン・ミネラルだけをとるのは控えてくださいね。栄養素は、単独では働きません。チームで働きます。
ごはん・パン・麺類などの炭水化物、油などの脂質、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品のたんぱく質、野菜・海藻・果物に含まれるビタミンやミネラルをバランスよく食事に取り入れることが大切です。

炭水化物制限ダイエットが流行っていますが、極端に控えたり、食べないことはおすすめできません。
炭水化物は、エネルギー源です。不足すると、たんぱく質がエネルギーとして使われ、結果的にたんぱく質不足になり、乾燥、ハリ、弾力不足などの肌の老化につながることも。
ダイエットで炭水化物を制限し、「疲れやすくなった」、「肌荒れがひどくなった」と感じる人もいるそうです。炭水化物を毎食とるようにしましょう。

一方で、脂質が不足すると乾燥の原因になりますよ。脂質に含まれるコレステロールは、細胞膜の主成分であり、健康な細胞づくりにも重要な役割を果たします。油抜きダイエットはおすすめできません。

たんぱく質は、筋肉、皮膚、つめ、髪などを構成するのに必要な栄養素ですが、身体に貯蔵するしくみがなく過剰にとった分は尿と一緒に排出されます。
1食で過剰にとるのではなく、毎食たんぱく質を食事に取り入れるようにしましょう。

食事も大切ですが、生活習慣もアンチエイジングに深く関係します。

質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることがわかっているそう。
また、美肌を保つために欠かせない脳の下垂体から分泌される「成長ホルモン」は、睡眠時、特に深い眠りの時に多く分泌されます。
細胞の新陳代謝を促し、日中に紫外線などでダメージを受けた細胞を修復する働きや疲労回復などさまざまな働きがあるため、質のよい睡眠は健康な身体、美肌を目指す方には欠かせません。
更年期には倦怠感やほてりなどのほか、不眠の症状も重ねて現れることがありますが、「なかなか眠れないからお酒を飲もう」と眠れない時に考えたことはありませんか?
アルコールには、鎮静作用があり眠気を誘発するため、寝つきはよくなりますが、睡眠の質を低下させます。お酒の力を借りるのではなく、規則正しい生活を心がけることで質の高い睡眠が得られるでしょう。

栄養バランスのとれた食事、ウォーキングやストレッチなどの適度な運動、質のよい睡眠が健康な身体づくりには必要です。食べる物、生活習慣を変えてすぐに変化は現れませんが、長期にわたり実践することで、10年後健康で元気に過ごせる体が手に入るでしょう。

<参考>
成美堂出版 監修中村丁次『栄養の基本がわかる図解事典』2020年03月02日発行
株式会社西東社 監修飯田薫子、寺田あい『一生役立つ きちんとわかる栄養学』2020年3月25日発行
e-ヘルスネット『アルコールの作用』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-003.html
e-ヘルスネット『睡眠と生活習慣病との深い関係』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html
e-ヘルスネット『快眠と生活習慣』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
e-ヘルスネット『飲酒のガイドライン』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html

小松菜とトマトのピザ風トースト

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小松菜、トマトにはカロテノイドが豊富。朝ごはんにおすすめ!

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パエリア風ピラフ

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エビにはアスタキサンチン、鶏肉にはコラーゲンが含まれています。エネルギー源になる炭水化物をしっかりとれるレシピです。

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当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。"

ダイエットコーチ吉田 理江

栄養士/調理師/料理研究家

飲食店で勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立する。コラム執筆、レシピ開発、料理教室主宰などを経験。現在はダイエットコーチとして活動中。「我慢しない!過度な運動なし!お腹いっぱい食べて綺麗に痩せられる」リバウンドしないダイエット方法を提案し、年間100人以上のサポートを行っている。

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