毛穴の悩みを食事で改善しよう!美肌ケアは内側から

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しっかりスキンケアをしているのに毛穴が目立つなど毛穴トラブルの問題を抱えていませんか?毛穴トラブルが改善しない時は、食生活の見直しが必要です。タイプ別に合った対策をして美肌を目指しましょう。

毛穴が目立つ原因

毛穴は人間であれば必ず存在していて、なくすことはできません。
また、毛穴の大きさは遺伝的な要素が大きく関わり、生まれもった毛穴のサイズよりも小さくできないそうです。 毛穴が目立つ原因は、それぞれありストレス・食生活・加齢・肌の乾燥・摩擦などのダメージ、過剰な皮脂分泌、ハリや弾力の低下などですが、肌をよい状態にすることで毛穴を目立ちにくくする事は可能と言われています。

毛穴が目立つのは、大きく3つの原因が考えられます。
1つ目は、過剰な皮脂分泌です。脂っこいものをとりすぎるなどの脂質過多の食生活や、正しい洗顔をしていない事などが原因で毛穴が詰まります。毛穴の詰まりは余分な皮脂に古い角質が混ざり、角栓となり、毛穴を膨らませます。
2つ目は、乾燥によってキメが乱れてしまう事です。油を抜いた食生活やもともと乾燥しやすい人が保湿ケアをしていない場合、毛穴の周りの細胞が萎縮しやすくなり、キメが乱れることにより毛穴が開いたように見えてしまいます。
3つ目は、加齢により肌の弾力が衰えてたるみ、毛穴が重力に逆らえず、下方に引っ張られ開いた状態になってしまい、毛穴が長く変形します。

<参考文献>
株式会社高橋書店 監修櫻井直木監修、執筆永松麻美「正しい知識がわかる美肌事典」2021年3月27日発行
株式会社クロスメディア・パブリッシング 著者山本周平「美容皮膚科が教える「完全毛穴レス肌」を叶える8つの美肌習慣」2021年7月21日発行
株式会社KADOKAWA 執筆友利新 「最新美肌事典」2021年7月29日発行

毛穴タイプと原因

毛穴トラブルのタイプは、4種類あります。改善するにはどの種類にあてはまるのかを知ることが大切です。 どのタイプかチェックしてから対策をしてくださいね。

■詰まり毛穴

詰まり毛穴は、Tゾーンに多く、鼻のまわりがざらつく、毛穴に皮質のようなもの、汚れが詰まっている状態です。
過剰な皮脂分泌により毛穴にたまった皮脂、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)の乱れにより古い角質が詰まる、メイクなどの汚れが混ざって毛穴に角栓が詰まるなどが原因となります。
メイクをしたまま寝てしまう、正しい洗顔をしていないことも詰まり毛穴の原因となります。 メイクをした日はしっかり落としてから寝ましょう。

■開き毛穴

開き毛穴は、毛穴が○型に目立つ状態です。別名「乾燥毛穴」とも呼ばれています。
乾燥や紫外線によるダメージでも引き起こされますが、昔繰り返し吹き出物ができていた事で目立つこともあります。 拭き取りケア、はがすタイプのパックを頻繁に使用している事も原因となります。
乾燥は、開き毛穴の他にも肌トラブルを招きます。しっかり保湿ケアをしてくださいね。

■たるみ毛穴

たるみ毛穴は、年齢とともに毛穴が目立ってきたと感じる人が多いと言われています。 毛穴が涙型、楕円になっている状態です。 肌の弾力は、コラーゲンやエスラチンなどのタンパク質によって保たれていますが、加齢により細胞分裂のペースが衰えコラーゲンやエスラチンが作られにくくなり、ハリが失われ毛穴がたるむ事が原因となります。
コラーゲンを多く含む食べ物をとり、美肌を目指しましょう。

■黒ずみ毛穴

黒ずみ毛穴は、詰まり毛穴が悪化した状態です。
皮脂が空気にふれて酸化することで小鼻など、鼻を中心にできやすいです。 紫外線など外部からの刺激によって、メラニン色素が沈着する、汚れの蓄積などが原因となります。
紫外線は、窓(ガラス)を通して室内に入ってくるので、自宅にいる時、車に乗る時も日焼け止めをぬってしっかり紫外線対策をしましょう。

チキンのスパイシー焼き

チキンのスパイシー焼き

肌の弾力性を高めるコラーゲンが豊富な手羽先料理をオーブントースターで手軽に作れます。

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<参考文献>
株式会社高橋書店 監修櫻井直木、執筆永松麻美「正しい知識がわかる美肌事典」2021年3月27日発行
株式会社クロスメディア・パブリッシング 著者山本周平「美容皮膚科が教える「完全毛穴レス肌」を叶える8つの美肌習慣」2021年7月21日発行
株式会社KADOKAWA 著者友利新 「最新美肌事典」2021年7月29日発行
厚生労働省e-ヘルスネット「コラーゲン(こらーげん)」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html

毛穴対策にオススメな栄養素とは?

■詰まり毛穴対策

脂質の代謝とターンオーバーを促進させ角質を流す事が必要です。
オススメの栄養素は、とった脂質代謝のサポートをする「ビタミンB2」、角栓の約70%を占めるタンパク質の代謝をサポートする「ビタミンB6」です。 2つの栄養素には、皮脂をコントロールする働きがあるため、余分な皮脂分泌を抑え、詰まり毛穴の改善効果が期待できます。

  • ビタミンB2

レバー、納豆、卵、うなぎ、牛乳などに多く含まれています。

  • ビタミンB6

マグロ、カツオ、バナナ、ささみ、鶏胸肉などに多く含まれています。

朝食を抜くと脳のエネルギーが不足し、集中力や記憶力も低下してしまいます。 また、エネルギーが入ってこないので冷え性を招く恐れもあります。 冷えて血行が悪くなると新陳代謝がうまく行われず、肌のターンオーバーが乱れると言われています。
時間がない時は、牛乳とバナナだけでもとるようにしましょう。

過剰な皮脂分泌の原因はさまざまありますが、脂っこいもの、洋菓子、スナック菓子、加工品のとりすぎは過剰な皮脂分泌を引き起こします。 ジャンクフードや揚げ物をとる頻度や量、パンにぬるバターの量、炒め物に使う油の量などにも気をつけましょう。

■開き毛穴対策

体内から潤いを保ち乾燥させない事が必要です。
オススメの栄養素は、皮膚や目などの粘膜を健康に保つ働きがある「ビタミンA」、角質層の細胞間にある脂質で外からの刺激を防ぎ潤いを保つ働きがある「セラミド」です。

  • ビタミンA

人参、トマト、カボチャ、パプリカなどの緑黄色野菜、レバーなどに多く含まれています。

  • セラミド

こんにゃく、ほうれん草、ひじき、黒ごまなどに多く含まれています。

緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、橙色の色素成分で、体内で必要量に応じてビタミンAに変換されます。β-カロテンは、油と一緒にとると吸収率が高まります。
ひじき煮を作る時に油で炒め、人参を加えるとβ-カロテンの吸収率が高まるだけでなく、セラミドも一緒にとれますよ。
油などの脂質を極端に抜くと乾燥肌の原因になると言われています。また、脂質はホルモンの材料にもなるので極端に抜くとホルモンバランスが乱れる恐れがあります。とりすぎなければ太りませんよ。

■たるみ毛穴対策

たるみのないハリのある肌を作る事が必要です。
オススメの栄養素は、「タンパク質(コラーゲン)」と「ビタミンC」です。コラーゲンは、身体を構成するタンパク質のひとつで、コラーゲンの合成には「ビタミンC」が必要です。 コラーゲンはたるみのないハリのある肌を作るのに欠かせません。 加齢とともに体内で作られる量が減るため、コラーゲンの材料となる食品を積極的に補う必要があります。

  • タンパク質(コラーゲン)

手羽先、豚モツ 、鶏の皮、軟骨 、牛スジ 、豚バラ肉などに多く含まれています。

  • ビタミンC

ブロッコリー、じゃがいも、さつまいも、みかんなどの柑橘類、いちご、赤ピーマン、芽キャベツなどに多く含まれています。

手羽先とじゃがいもを一緒に煮る、豚バラ肉と赤ピーマンを一緒に炒めるなど、ビタミンCを多く含む野菜と一緒にとるようにしてくださいね。

肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などのタンパク質は、皮膚、血液、筋肉などの材料になります。 不足すると肌の弾力が低下し老化が進みやすいです。 また、体に貯蔵するしくみがなく余剰分は尿から排出されます。一度に過剰にとるのは控えましょう。

たるみ毛穴は、加齢により肌の弾力が衰えてたるんだ事が原因ですが、甘いお菓子、パン、麺類などをとりすぎるなど糖質過多の食生活もたるみ毛穴を進行させる原因となります。 過剰にとるとエネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積されます。 また、過剰にとった糖質とたんぱく質などが結びついて「体のこげ」とも呼ばれるAGEs(終末糖化産)を生成してしまいます。
AGEsが生じるとコラーゲンを分解してしまう酵素が体内で多く作られると言われています。 結果、コラーゲンが壊されれ肌の弾力性が低下し皮膚が薄くなり、毛穴のたるみが進んでしまいます。

■黒ずみ毛穴対策

必要なのは、紫外線に当たると生成されるメラニンの生成を抑制する事と体内を酸化させない事です。
オススメの栄養素は、細胞の新陳代謝や発育を促す働きがある「葉酸」と抗酸化作用のある栄養素「ビタミンACE」です。 「ビタミンC」には、メラニン色素を排出する働きがあります。酸化対策だけでなくメラニン対策にもオススメの栄養素です。

老化の原因として大きく関わっているのが活性酸素です。
呼吸をするだけで体内で発生していますが、体内で活性酸素が過剰に作られると細胞が酸化した、いわば「体のサビ」がたるみ、シワ、黒ずみ毛穴の原因となります。 抗酸化作用のあるビタミンACEは活性酸素の発生や働きを抑えてくれます。

  • 葉酸

ほうれん草、菜の花、枝豆、モロヘイヤなどに多く含まれています。

  • ビタミンA

人参、トマト、カボチャ、パプリカなどの緑黄色野菜、レバーなどに多く含まれています。

  • ビタミンC

ブロッコリー、じゃがいも、さつまいも、みかんなどの柑橘類、いちご、赤ピーマン、芽キャベツなどに多く含まれています。

  • ビタミンE

アボカド、ナッツ、ゴマ、カボチャなどに多く含まれています。

ビタミンCは、一度に過剰にとっても余剰分は尿から排出されます。サプリメントなど過剰にとるのは控えましょう。
ビタミンEには、抹消血管をひろげ血行をよくする働きがあるため、ターンオーバーの促進効果が期待できます。
スープや味噌汁に人参、じゃがいも、カボチャ加えると手軽に「ビタミンACE」がとれますよ。

納豆からみもち

納豆からみもち

納豆には脂質代謝のサポートをするビタミンB2が含まれています。 大根にはデンプン消化酵素のジアスターゼが含まれています。 胃腸の働きを助け胃もたれを防止する働きがあります。お正月で余った餅の消費にもオススメメニューです。

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塩豚肉じゃが

塩豚肉じゃが

美肌作りに欠かせないタンパク質豊富な豚バラ肉とビタミンCが含まれているじゃがいもを塩味であっさり食べられるメニューです。芋類のビタミンCはデンプンに包まれているので加熱しても壊れにくいです。

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<参考文献>
リラベル社 監修白澤卓ニ クスリごはん老けない食材とレシピ 2019年3月28日発行
成美堂出版 監修中村丁次「栄養の基本がわかる図解事典」2020年03月02日発行
株式会社西東社 監修飯田薫子、寺田あい「一生役立つ きちんとわかる栄養学」2020年3月25日発行
株式会社学研プラス 監修白鳥早奈英「最新版 知っておきたい栄養学」2018年10月12日発行
厚生労働省e-ヘルスネット「炭水化物 / 糖質(たんすいかぶつ / とうしつ)」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html
厚生労働省e-ヘルスネット「コラーゲン(こらーげん)」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
厚生労働省e-ヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html

日頃の行いにも毛穴トラブルのリスクが?!

メイクをしてから何時間も経てば、肌に残った汚れ、大気汚染などが皮膚と混ざり合って酸化し、毛穴の開きや黒ずみの限界を引き起こす可能性もあります。 なるべく長時間のメイクは避けるようにしましょう。

熱いお湯で洗顔をすると肌表面の必要な潤いや肌のなかの大切な油分まで奪ってしまうので洗顔をする時は、30~35℃のぬるま湯を手にすくって行いましょう。 また、シャワーの水圧は、刺激が強く肌への負担になると言われています。シャワーを直にあてて洗い流すのは控えましょう。

毛穴の黒ずみが気になって指で角栓を押し出したり、ピンセットで引き抜いたりしていませんか? 毛穴のまわりの皮膚に圧力がかかると、角質が硬くなり毛穴が目立つようになります。 無理矢理取り出すのはオススメできません。

体が冷えると皮脂が固まり詰まりの原因となります。冷たい飲み物や食べ物をとり過ぎないようにしましょう。
冷え性の方にオススメの食材は生姜です。 生姜に含まれる辛味成分のシンゲロールが血管を拡張し、血行を良くする働きがあります。 加熱するとショウガオールという成分に変わり、体の芯から温まり冷え性改善効果が期待できます。 味噌汁や炒め物に加えるなどして日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

不規則な生活、睡眠不足、タバコ、食べないダイエット、○○だけ食べる、抜くなどの極端な食生活、日焼け。 これらは全て毛穴トラブルの原因になると言われています。3食バランスよく食べることが美肌作りには大切です。

<参考文献>
株式会社高橋書店 監修櫻井直木、執筆永松麻美「正しい知識がわかる美肌事典」2021年3月27日発行
株式会社クロスメディア・パブリッシング 著者山本周平「美容皮膚科が教える「完全毛穴レス肌」を叶える8つの美肌習慣」2021年7月21日発行
株式会社KADOKAWA 著者友利新 「最新美肌事典」2021年7月29日発行
リラベル社 監修白澤卓ニ クスリごはん老けない食材とレシピ 2019年3月28日発行
成美堂出版 監修中村丁次「栄養の基本がわかる図解事典」2020年03月02日発行

※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

ダイエットコーチ吉田 理江

栄養士/調理師/料理研究家

飲食店で勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立する。コラム執筆、レシピ開発、料理教室主宰などを経験。現在はダイエットコーチとして活動中。「我慢しない!過度な運動なし!お腹いっぱい食べて綺麗に痩せられる」リバウンドしないダイエット方法を提案し、年間100人以上のサポートを行っている。

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