春菊を使った美肌と風邪予防レシピ4選!

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食べる風邪薬とも呼ばれる春菊。野菜類の中ではトップクラスの含有量を誇るβ-カロテンが体内でビタミンAに変わり、様々な効能を得られます。これには強い抗酸化作用があり、病気や老化原因となる活性酸素の発生を抑え、免疫力を向上させ、粘膜や肌の健康を保つ効果があります。その為、皮膚や粘膜を補強し、免疫強化することで、風邪予防や肌荒れ予防につながります

更に春菊には、カルシウムと、骨にカルシウムを定着させるビタミンKも豊富なので、更年期に気になる、骨粗しょう症の予防改善にも有効です。また、ビタミンB群の葉酸は、ビタミンB12と協調し、赤血球合成に関与するので貧血の改善にも効果が期待できます。

干し柿を加えて免疫力強化【春菊×チーズ×干し柿】

春菊と干し柿チーズのサラダ

春菊と干し柿チーズのサラダ

ビタミンA(β-カロテン)をたっぷり取れるサラダです。強い抗酸化作用により、粘膜や肌を健康に保ち、免疫力アップにつながります。細胞の栄養となるたんぱく質を含むチーズ、β-カロテンが豊富で、更に酸化作用の高いリコピンも含まれる干し柿を加えることで、バランスよく相乗効能が得られる他、より免疫力強化にも効果的です。

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春菊の旬と、新鮮な春菊の見分け方

春菊の旬

春菊は通年出回っていますが、美味しい旬は11~3月。キク科の植物で、春に花を咲かせることから春菊と呼ばれおり、茎や葉がやわらかく、香り高いのは、花を咲かせる前の秋から冬にかけて、特に、味も栄養価も良くなります。

新鮮な春菊の見分け方

葉に張りがあり、緑色が濃い、どっしりしたものが鮮度の良いものです。葉が黄色くなっているものは避けましょう。茎付きのものは、茎の根元まで葉が良くついており、茎が細めで短いほうが口当たりはソフトです。

胃にやさしいヘルシーな主食【春菊×さわら】

蒸しさわらの春菊あんかけ

蒸しさわらの春菊あんかけ

良質なたんぱく質が豊富で脂分の少ないさわらをメインに、抗酸化作用の高い春菊を組み合わせることで、粘膜や肌の強化につながり、免疫力を向上させることができます。胃にも優しく、ヘルシーな主食なので、美容意識の高い方にもおすすめです。

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春菊の種類

一般的に関東では春菊、西日本では菊菜と呼ばれており、品種が多いので、それぞれの香りや風味が違います。いろいろ手に入る場合は料理に使い分けるとよいでしょう。

葉の形による違い

「大葉」「中葉」「小葉」の3種類に分けられ、日本でもっとも多く栽培されているのは「中葉」です。

  • 大葉

おもに中国地方や九州で栽培されている春菊で、葉の切れ込みが浅く、大きくてへらのように丸みがあり、肉厚でやわらか。香りは強くなくクセのない味わいです。加熱調理に加えて、サラダなどの生食にも向いています。

  • 中葉

一般的に流通している春菊で、葉に深い切れ込みがたくさんあり、香り、苦味は強い傾向にあります。お浸しなどの和え物、鍋など加熱調理で風味をしっかり楽しむことができます。

  • 小葉

現在あまり栽培されていません。

茎の形状による違い

中葉には、茎が伸びる「株立ち中葉」と、根から直接葉が出たような「株張り中葉」があります。関東では「株立ち」が多く栽培されており、茎の根元を切って収穫して販売されているので、茎から葉が生えている状態が主流ですが、関西では「株張り」が多く栽培されているので、根付きで収穫し、根元から葉が生えている状態が主流です。株張りの方がやわらかい傾向にあります。

サラダ春菊

どの春菊もかたい茎を避けて、やわらかい葉の部分をサラダにすると美味しいのですが、特に生食専用に作られたものが、サラダ春菊として流通しています。茎もやわらかく、食感も香りも抑えてあり、クセがなく生で食べることができます。

疲労回復効果で免疫アップレシピ【春菊×豚肉】

春菊と豚肉のスタミナナムル

春菊と豚肉のスタミナナムル

春菊のビタミンA(β-カロテン)に、豚肉のビタミンB1を加えることで、体の代謝改善、疲労回復効果、疲労による免疫力低下の予防に効果的な組み合わせです。簡単調理でまとめて作り置きできるので、お弁当や、忙しい日の夕食の1品にも役立ちます。

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春菊の保存方法

春菊のような葉物野菜は、できるだけ早く使うことが理想ですが、保存する場合は冷蔵庫に、根元を下にして立てて入れると長持ちします。軽く湿らせた新聞紙で包んでからポリ袋などに入れて乾燥を防ぎ、2~3日ほどで使い切りましょう。

冷凍

塩を加えたたっぷりのお湯で、30秒程度ゆでて冷水で冷やし、水気を切ってから、好みの大きさに切って下さい。更に水気をしっかり絞ってラップや袋で密閉し、冷凍します。
和え物の時は自然解凍、汁物や炒め物には冷凍のまま使います。

抗酸化作用で美肌アップレシピ【春菊×じゃがいも】

春菊のガレット

春菊のガレット

混ぜて焼くだけの簡単レシピ。お酒のおつまみや、素早く作りたい1品おかずにもおすすめの料理です。春菊に豊富なβ-カロテンは抗酸化作用が強く、粘膜や肌の強化に働くことから、免疫力強化につながります。じゃがいものビタミンCが更に抗酸化作用を向上する相乗効果も期待できる組み合わせです。

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春菊を美味しく食べる調理法

洗い方

春菊は他の野菜より土がついていることが多い為、よく洗います。ボウルに水を貯めて、更に流水を使いながら葉を先に振り洗い、より土が多い茎の部分を次に念入りに洗います。根元が密集しているものや、根付きのものは、根や茎の根元をボウルに浸し、ちょろちょろと水を流しておけば土がきれいに取れやすくなります。ざく切りにして洗うと香りや栄養が逃げてしまうので、束のまま洗ってください。土が取れにくい場合は、根元のつながっている部分だけ少し切って洗うとよいでしょう。

生で食べる

サラダ用の春菊はそのまま全部生食しても美味しいですが、一般的な春菊を生で食べる場合は、硬い茎は避け、やわらかい葉先だけを使うとよいでしょう。株張りの品種はよく洗ってほぼ全部生食で楽しめます。

下ゆでの方法

ゆでるとき、ざく切りにしてから茹でると栄養や味わいが逃げて水っぽくなってしまうので、束のままゆでます。芯の部分が火が通りにくいので、発色がよくなるよう熱湯に塩を加えてから、まず根元だけつけてゆすりながら10秒、全体を入れてお箸で揺らしながらもう一度湧いてきてから10秒ゆでます。
やわらかくしたい場合は更にゆでて下さい。すぐに冷水に取って冷やし、水分をよく切り、調理により大きさを切りそろえます。切ってから更に水気をよく絞ります。

加熱時の注意

春菊は爽快な風味と香りが楽しめる緑黄色野菜です。長時間加熱すると食感が落ちて苦味が増すので、加熱調理の時はサッと火を通す程度にしてください。

田村 佳子

日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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