とうがんの栄養とむくみ対策レシピ

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冷房や、入浴はシャワーだけですませるなど、夏は代謝が悪くなり、むくみが出やすくなります。そんなときにおすすめな食材がとうがん。

豊富なカリウムに利尿作用があり、水分を排出する働きを高めてくれます。その上、ビタミンCも多く、果実の95%以上が水分で構成されていてカロリーが低いため、女性に嬉しい食材です。

また、食物繊維含有量自体は多くないものの、便秘の解消に理想的だとされる不溶性:水溶性=2:1のバランスで含有されており、便秘解消に役立ち、ダイエットにも効果があります。
ただ、とうがんには体にこもった熱を逃がす効果もあるので、冷え症の方は温かいスープや、体を温める、代謝をよくする食材とあわせてとうがんをいただきましょう。

とうがんの旬は?

とうがんは、6 ~10月に主に出荷され、7、8月にピークを迎えます。また、沖縄では4月頃から出回っています。

「冬」の瓜と書くのは、冬が旬だからではなく、長期保存が可能で、昔は、作物の少なくなる冬にまで貯蔵でき、大変重宝されていた為です。

とうがんの皮は、丈夫できめが細かく水分を失いにくいことから、収穫してから常温で2、3ヶ月は品質を落とさず保存できる非常に珍しい野菜。ただ、切ってしまうと、とても痛みやすく早く使い切ることが必要です。

新陳代謝の活性に【とうがん×セロリ】

とうがんとセロリのきんぴら

とうがんとセロリのきんぴら

セロリにはピラジンという香り成分があり、血流を良くしてくれるので、冷え性改善や、新陳代謝の活性、疲労回復、免疫力アップになり、とうがんの体を冷やす性質を補うことができます。

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とうがんの下処理

  • 外側の薄皮をむく

とうがんのつるつるした薄皮はかたく、加熱しても美味しく食べることができないのでむきます。
ピーラーでむいてもよいのですが、表面に近い緑色の部分が栄養価が高く、食べ方もたくさんあるので、薄皮だけスプーンや包丁で削り落とすことをおすすめします。皮の緑色も残り見栄えもよくなります。

  • 切り分ける

皮を取り除いた後の、緑色の皮の部分はかたいので、2~3mmむいてやわらかい部分と切り分けます。
中の種とワタの部分は大きいままスプーンなどでくり抜くか、煮物などでは煮崩れの原因になる為、先に適当な大きさに切ってから、ワタを切り落とすとよいでしょう。
残し過ぎると、煮崩れしやすく、食べても食感が良くありません。

ダイエット中におすすめ【とうがん×鶏ささ身】

とうがんと鶏ささ身のしょうがあんかけ

とうがんと鶏ささ身のしょうがあんかけ

とうがんとささ身とあわせて低カロリー、ダイエットに最適なレシピです。
とうがんに豊富なカリウムは利尿作用を促進し、むくみ改善に効果的。とうがんは体の熱を発散させる効能がありますが、冷え性の方でも体を温めるしょうがをふんだんに使用することで気にせず食事に取り入れることができます。

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とうがんの調理方法

  • 皮の部分の調理

皮の部分は、かたい食感と緑のきれいな色が楽しめるので、炒め物や漬物などに向いています。

  • やわらかい部分の調理

火を通すととろりとやわらかくなるので、煮物やスープに向いています。

  • ワタの調理

種を取り除くことが大変ですが、スープに加えて煮ると、とろける食感で楽しめます。

血液サラサラに【とうがん×玉ねぎ】

とうがんと玉ねぎのソムタム

とうがんと玉ねぎのソムタム

玉ねぎの血液さらさら効果で血流をよくし、とうがんの体を冷やす効果を補うことができます。
また、辛い唐辛子のカプサイシンや、インゲンに含まれるβカロテンなども血流を良くし、体を温め代謝改善に効果的です。

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翡翠色に皮ごと煮る場合

とうがんの薄皮のみ削り落とし、かたい皮に均等に味が入り火が通るように、隠し包丁を格子状に入れておきます。
あまり深く切り込みを入れ過ぎると、煮ている間に割れてしまったりするので、2~3mm程度です。

発色がよくなり、さらに皮がやわらかくなるように、塩と重曹をこすり付けて10分程度置いておき、洗い流します。そうすることで早くやわらかくなるので、短時間でゆで上がり、仕上がりのヒスイ色が一層鮮やかになります。

とうがんを鍋に入れ、少し多めの水を張って火にかけ、好みのやわらかさになるまで下ゆでし、水洗いして青臭さを取り除きます。下処理が終わったものをだし汁で煮ます。

塩分の排出促進!【とうがん×チンゲン菜】

とうがんとえびの鶏塩スープ炒め

とうがんとえびの鶏塩スープ炒め

とうがんやチンゲン菜にはカリウムが豊富で塩分の排出促進と利尿作用があり、むくみ改善に効果があります。
また、低カロリーで疲労回復にも効果があるえびは体を温める食材の為、体を冷やす効果のあるとうがんと合わせることで冷えによる代謝不良も予防できます。夏風邪やダイエットにも最適です。

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田村 佳子

日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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