管理栄養士に聞く!風邪をひいたときのご飯って?
流行期間が年々長くなっていると感じるインフルエンザ。予防していてもひいてしまう風邪。 では、風邪をひいたときって何を食べたらいいのでしょう? 温かいもの?アイスはOK?など、予防対策や、症状・年齢別で注意することなどもあわせてご紹介します。
まずは予防対策!
空気が乾燥する冬は、風邪やインフルエンザを起こすウイルスの動きが活発になります。そして、乾いた空気により人の口や鼻の粘膜も乾燥し、ウイルスが体内に入りやすくなってしまい、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるといわれています。
風邪の予防にはまず、マスクでウイルスの侵入を防ぎ、手洗い、うがいを習慣づけること。 さらに、日々の食事でも、皮膚や粘膜のうるおいを保つ働きがあるビタミンAや、免疫力強化作用があるパントテン酸・ビタミンCなどを多く含む食材をとることを心がけましょう。
風邪をひいてしまったら、ご飯はどうする?
風邪をひいてしまったら、まずは「保温・安静・水分・ビタミンC」を心がけてください。
風邪のひき始めには、やわらかく胃に負担をかけないメニューがおすすめです。 ビタミン、ミネラル、たんぱく質がとれる野菜や肉、魚がたっぷり入ったシチューやお鍋など、体の中から温かくして、安静にしてしっかり睡眠をとり、体力の消耗を防いでください。
また、熱が高く、食欲もないときは無理に食べなくても大丈夫です。ただし、脱水症状を防ぐために水分補給は心がけてくださいね。 たとえば、免疫力・回復力・解毒作用を高めるというビタミンCを含んだ野菜スープや、フルーツジュースなどがおすすめです。
のどが痛くてあたたかいものが食べられない時は、プリンやアイスクリーム、ヨーグルトなどが食べやすいです。エネルギー、たんぱく質もとれるので良いですね。
では、インフルエンザの予防は?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが引き起こす感染症で、高熱、筋肉やのどの痛み、咳、鼻水などの症状が急激にあらわれ、突然発症するという特徴があります。
インフルエンザの予防には、まずは予防接種。そして、風邪予防と同じくマスクと手洗い、うがいが有効です。
そのうえで、ウイルスに対抗できる体をつくるために、普段の食生活からたんぱく質やビタミン、ミネラルをバランスよくとり、免疫力を高めておきましょう。
乳幼児や高齢者がインフルエンザに!気を付けることは?
65歳以上の高齢者、5歳以下の乳幼児、28週以降の妊婦や、特定の疾患にかかっている方などは、インフルエンザにかかると重症化しやすく、ハイリスク群といわれています。
5歳以下の乳幼児の場合、母乳やミルクに含まれるラクトフェリンという糖たんぱくが、感染症の予防や、炎症抑制作用に効果を発揮するといわれています。
高齢者の方の場合は、消化・吸収が老化に伴い低下して、やわらかく消化のよい糖質に偏った食事になりがちです。免疫力を高めるたんぱく質や、ミネラルを多く含む赤身の肉などは、ひき肉にして利用するとよいでしょう。
蒸しかぶらのなめこそぼろあんかけ
火をつける前から肉を鍋に入れておくことで、油をひかなくても、お肉自身の肉汁や油で焦げ付かずきれいに仕上がります。そぼろあんは、豆腐にかけたり、丼にもおすすめ!
管理栄養士西村 美津子
産業保健分野で働く方々の健康支援や、特別養護老人ホームで高齢者の栄養管理に携った後、 現在は、病院で特別な栄養管理が必要な方々を対象に、 低栄養予防や摂食嚥下機能の維持のためのチーム医療の一員として、日々奮闘中。
休日は、初孫の成長を見守りつつ、料理教室の講師、災害支援ボランティア等、管理栄養士として社会に役立てるよう活動の幅を広げている。