食べ合わせで頭痛対策☆セロリレシピ

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独特の香りとシャキッとした歯ごたえが特徴のセロリ。好き嫌いがはっきり分かれるほど強い香りには実は優れた効能があります。セロリは茎の部分より葉の方に栄養がたくさん含まれているので、葉も捨てずに調理しましょう。
注目したいのは豊富に含まれるミネラルの一種であるカリウムと、独特の香りを生み出す40種もの香り成分。その他、量はあまり多くはないですが、食物繊維、葉酸などのビタミンなども含んでいます。
カリウムは体内の余分な塩分を排出して正常化する作用を持ち、むくみの解消や、二日酔いなどの軽い脱水作用で体内の電解質のバランスが崩れた時の補給になり、これによって引き起こされる頭痛解消にもつながります。
強い香りの主成分はアピインで、ポリフェノールに分類される成分の一種。ストレス解消や精神の安定、不眠解消など、リラックス効果があります。また、鎮痛作用があるため、頭痛や生理痛などの痛みを和らげ、二日酔いが原因で起こる頭痛にも効果があります。季節の変わり目や冷房などの温度変化で頭痛が起こりやすい時期に、セロリを食事に取り入れて対策をしてみませんか。

セロリの旬や種類は? 

  • 旬と産地

本来涼しい環境が好きなセロリは秋または春が旬ですが、ハウスや露地栽培が各地でおこなわれているため、市場にはほぼ一年中出回っています。

  • グリーンセロリ

茎が緑色で、香りが強めのセロリでアメリカで人気が高いものです。日本では、小型品種「トップセラー」が主流で、葉が肉厚でやや甘味も感じられます。

  • セロリ(中間種)

一般的なセロリでコーネルという品種が主流です。薄緑色をした茎は太いが筋は少なめのセロリで、グリーンセロリより香りが穏やかです。

  • ホワイトセロリ

茎が細く白く、三つ葉に似ています。水耕栽培されているため、クセが少ないのが特徴です。

血圧が高めの方の頭痛対策・・・セロリ×ほうれん草

セロリといかのほうれん草炒め

セロリといかのほうれん草炒め

セロリの独特の香り成分アピインには鎮痛作用があり、頭痛を和らげる効果が期待されています。ほうれん草を加えることで、豊富なマグネシウムが脳血管の緊張を緩和し、血圧を下げ、脳や神経の興奮を鎮めて更に頭痛を緩和してくれます。
ほうれん草に豊富なビタミン、ミネラルを組み合わせることで栄養バランスも整い、体全体の調子も整えることができ、頭痛の予防にもなります。

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新鮮なセロリの見分け方は?

葉の緑色が濃くてハリやツヤがあり、茎は太くて肉厚、縦のスジがしっかりと入っているものがよいものです。

ガンガンする頭痛への対策・・・セロリ×ヨーグルト

炒めセロリのオレンジヨーグルトソース

炒めセロリのオレンジヨーグルトソース

血圧が高い方や、肩こりがひどい方など、ガンガンするような頭痛の原因は、カルシウム不足である可能性が大きいです。血管を収縮する時に働くカルシウムが不足すると、脳からの指令で、骨に蓄えられたカルシウムを放出してでも、血液中のカルシウム濃度を一定に保とうとします。
骨から放出されたカルシウムは、通常より細胞内に入り込みやすく、血管の細胞を過剰に収縮させて、精神的な緊張や、疲れた時に頭痛や肩こりを引き起こします。また、血圧も上昇させてしまいます。普段からカルシウムを摂取することで頭痛予防になり、セロリの香り成分アピインの鎮痛作用で更に頭痛を和らげてくれます。

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セロリの保存方法は?

  • 冷蔵保存

成長して栄養が減ってしまうため、葉と茎を切り離して保存します。それぞれを袋に入れてできれば立てて冷蔵庫に入れておくことで1週間ほどは保存可能です。

生理による頭痛対策・・・セロリ×ごま

セロリとじゃこのごま酢和え

セロリとじゃこのごま酢和え

セロリの香り成分の代表格アピインには鎮痛作用があり、頭痛の緩和に働きます。ごまには、ビタミンEが豊富に含まれており、血流をよくし、エストロゲンのバランスも整えてくれるので、生理中に起こる片頭痛を防ぐのに役立ちます。また、頭痛の予防に効果的なマグネシウムも含まれ、高血圧緩和も促します。
更にリラックス効果のあるカルシウムが多いじゃこを組み合わせて、頭痛全般に効果が期待できる料理です。

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セロリを美味しく食べる調理法

  • 下ごしらえの方法

セロリを洗うときには、付け根に泥や汚れがたまっていることが多いので、流水で付け根の内側をしっかり洗いましょう。歯ざわりをよくするために筋をとります。まず葉の付け根のフシの部分で葉と茎に切り分け、茎の下の外皮側に包丁を入れて筋を起こしてから手前に引くと簡単に取れます。新鮮なものほど筋が硬くしっかりしているので、きちんと取り除きます。ただ、細かくスライスしてしまう料理や、歯ごたえを楽しむ炒め物などは取らずに使っても問題ありません。

  • 生食・漬物

大きめのサイズに切ったり、スティックでかじる時には筋をきっちり取った方が良いでしょう。

  • 煮物・スープ

スライスして使う場合は必要ありませんが、少し厚みを持たせる場合は筋はきれいに取り除いておいてください。柔らかく火が通ったセロリの筋は食感が悪く、食べにくくなります。また、香り成分など汁に流れやすいので、煮汁やスープも一緒に食べられるような味付けにしましょう。

  • 炒め物

筋取りは省いてもよいでしょう。薄切りでしんなりするまで炒めても美味しいですが、生で食べられるので、さっと炒めて加熱しすぎないようにし、食感を楽しむ方がお勧めです。また、栄養が流れ出ている炒めだれも、とろみをつけて一緒に食べられるようにしましょう。

  • 葉の活用方法

香りの強い葉は天ぷらにお勧めです。また、佃煮にしても美味しく、料理に一緒に入れる場合は細かく刻んだり、セロリの茎より少し長めに加熱したりすると香りが和らぎ食べやすくなります。

むくみが気になる方への頭痛対策・・・セロリ×じゃがいも

セロリとアーモンドのポテトサラダ

セロリとアーモンドのポテトサラダ

セロリやじゃがいもの皮に特に多く含まれているカリウムは、体内の余分な塩分を排出して正常化する作用を持ち、むくみの解消や、二日酔いなどの軽い脱水作用で体内の電解質のバランスが崩れた時の補給になり、これによって引き起こされる頭痛解消にもつながります。
また、セロリには独特の香り成分アピインに鎮静作用があり頭痛解消に効果的と言われています。そこへ、アーモンドを組み合わせることで、豊富なマグネシウムが血管の緊張をやわらげるのに役立つので、頭痛の軽減にお勧めの組み合わせ料理です。

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日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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