胃もたれに悩む50代。胃にやさしい食事とは?

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更年期になり、以前より食事が食べられなくなったり、胃がもたれるという不調を感じてはいませんか?胃にやさしい食べ方を心掛けることで食事を楽しみながらイキイキとした体を手にいれましょう。

加齢とともに食事の量が減る

年齢を重ねるとともに、少しずつ食べる量が減ってきてはいませんか?以前と同じように食べると、胃がもたれる、胸やけするなどの悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃいます。胃の働きは年齢とともに衰えていくため、以前と同じ量が食べられなくなる人は多いです。食べる量が減ると必要な栄養素を摂取できなくなるので、疲れやすくなったり、筋力が落ちたりして、元気がなくなってきたと感じるかもしれません。年齢を重ねても、イキイキと元気な体でいられるように、食事から胃のケアを行っていきましょう。
胃は、食べ物を消化するための器官で、食べたものが胃に入ると、胃酸を分泌し消化を助けます。胃酸は、強い酸性のため、自分自身の胃の壁を傷つけないために、胃の壁の粘膜から粘液を出して守っています。しかし、年齢を重ねていくと、胃の粘膜が萎縮してくるため、胃の粘液や胃酸の分泌が減り、うまく消化されなくなってしまいます。また、胃で消化された食べ物は次に腸へ送りこまなければならないため、ぜん動運動という動きを行います。このぜん動運動も年齢を重ねていくと弱くなっていくため、胃の中に食べ物が留まる時間が長くなってしまい、結果、胃もたれを感じるようになるのです。

更年期の女性は胃もたれを感じやすい

女性は、40代後半~50代にかけての更年期になると女性ホルモンのバランスが崩れます。女性ホルモンは、胃の働きに関与している自律神経とも関係しているホルモンです。自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、この2つのバランスが整っていると正常に働きます。しかし、更年期になり女性ホルモンのバランスが崩れると、全体のホルモンバランスが崩れるため自律神経も乱れやすくなります。そのため、更年期の女性は胃の機能低下や胃酸が出すぎるといったトラブルが起こりやすくなり、胃もたれなどの不調を感じやすくなるのです。

食事からのケアで、元気な体をキープ。胃にやさしい食事とは?

胃もたれなどの不調を感じているときは、胃にやさしい食事をしましょう。消化に時間がかかるものほど胃もたれしやすく、脂質・たんぱく質・糖質の順で消化の時間が長いといわれています。胃もたれを感じているときは、糖質の多いごはんやうどんなどの消化しやすいものをやわらかくして食べるのがおすすめです。
また、食物繊維が多い野菜や海藻も胃に負担をかけます。不調を感じているときは控えめにしましょう。ですが、控えることばかりを意識していると食事を楽しめなくなりますし、栄養不足に繋がることもあります。そうならないためにも、食事から胃のケアを行いましょう。特に更年期の女性に意識して摂ってほしい食品は、大豆です。大豆に含まれているイソフラボンは植物性のエストロゲンと呼ばれ、女性ホルモンのような働きをしてくれるので、更年期の女性は積極的に摂りたい食品です。また、大豆には胃の消化酵素の材料となるたんぱく質も多く含まれています。
脂質の多い食品は、消化に時間がかかるため胃に負担をかけますが、体内で女性ホルモンの材料となるのは脂質の一種であるコレステロールです。そのため、油を全く摂らないと不足してしまい、女性ホルモンの分泌がより低下してしまいます。
良質な油が含まれているオリーブオイルやアジやサバなどの青魚を、積極的に摂りましょう。1度にたくさん摂ると胃に負担がかかるので、少量を数回に分けて食べるなどの工夫をすれば胃もたれを防げます。胃もたれを感じているときは、消化力が落ちているときです。何を食べるのかの選択も大事ですが、よく噛んでしっかりとすりつぶして食べることを意識するだけでも胃の負担を軽減することができますよ。

<参考文献>
古畑公、木村康一、岡村博貴、望月理恵子(2021)『健康管理する人が必ず知っておきたい栄養学の〇と×改訂版』誠文堂新光社

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胃を元気に保つことで、イキイキとした体を手に入れよう

胃が元気だと、しっかりと食事を摂ることができます。また、食べたものを消化吸収できる状態にあるので、必要な栄養素が体に行きわたるため元気で疲れにくい体となります。食事を楽しみながら、人生も楽しむためには、しっかりと食べられる体でいる必要があります。食事は毎日行うことなので、少しの意識で大きな差がでます。少しずつ、胃をトレーニングする気持ちで食べていけば、年齢を重ねていっても食事を楽しめる状態のまま元気に過ごせるはずです。1回の食事で効果は感じられないかもしれませんが、コツコツと続けていくことで、いつまでも若々しくイキイキとした体でいられていることに気づくでしょう。

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※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

中西由紀

管理栄養士/フードコーディネーター/雑穀エキスパート中西由紀

  

大学在学中にフードコーディネーターの資格を取得し、料理教室や雑誌などの料理撮影のアシスタント経験を積む。
大学卒業後は、管理栄養士として社員食堂で勤務する傍らレシピ開発やコラム執筆などの活動を開始。その後、料理人のアシスタントや野菜の販売員を経験し独立。
現在は、雑穀でダイエットや肌荒れを克服した自身の経験と野菜販売員の経験を活かし、雑穀と野菜を使ったレシピ開発、ダイエット、健康系のコラム執筆などを中心に活躍中。

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