ビタミンDが豊富「ぶり」の栄養とおすすめレシピ♪
ぶりには、良質なたんぱく質と脂質、ビタミンB1、B2、D、Eが多く、特に多く含まれているビタミンDはカルシウムの吸収を促進します。 鉄分も豊富に含まれていて、貧血に効果も。これらの、ビタミンやミネラルは、特に血合いの部分に多く含まれています。
ぶりの種類と旬
氷見ぶり、能登ぶり、佐渡ぶりなど、北陸が名産地。有名ではないが太平洋側でもまとまった量がとれ、北陸産に比べて脂ののりが今ひとつだが割安。富山湾でとれるぶりは、古来「越中ぶり」と呼ばれ、今も最高級ぶりの代名詞。中でも特に氷見の寒ぶりが最高のブランド品です。
11月下旬、富山では鰤起こし(ぶりおこし)と呼ぶ冬の漁が開始します。この頃から、12月~3月がぶりの旬。この時期にとれるぶりは最も脂がのって美味しく、特に「寒ぶり」と呼ばれて珍重されています。最近では養殖の品質がよくなり、脂も常にのっていることから、天然に劣らない扱いをされているものもあり、年中脂ののったぶりが食べられます。
ぶりの名前の由来と、産地による出世魚としての名前の違い
関西
ワカナ(20cm以下)→ツバス(20~40cm)→ハマチ(40~60cm)→メジロ(60~80cm)→ブリ(80cm以上)
和歌山
ワカナゴ(20cm以下)→イナラ(20~30cm)→ハマチ(30~40cm)→メジロ(40~70cm)→オオイオ(70~80cm)→ブリ(80cm以上)
関東
ワカシ(20cm以下)→イナダ(20~30cm)→ワラサ(30~60cm)→メジロ(60~80cm)→ブリ(80cm以上)
※ブリの養殖発祥の地が西日本(香川県)で出荷サイズの平均がハマチ、関東方面に出荷された際に関西での呼称「ハマチ」で流通したために、ブリ養殖をしていなかった関東では、今でもハマチは養殖ブリの事を示すことが多い。
三陸
コズクラ(20cm以下)→フクラギ(20~30cm)→アオブリ(30~40cm)→ハナジロ(40~60cm)→ガンド(60~70cm)→ブリ(70cm以上)
北陸
ツバイソ(20cm以下)→コズクラ(20~30cm)→フクラギ(30~40cm)→ハマチ(40~60cm)→ガンド(60~70cm)→ブリ(70cm以上)
※富山湾では8月頃から全長20cmたらずのツバイソ、秋から冬にかけてフクラギ、ハマチ、ガンド、ブリがとれます。
四国
モジャコ(20cm以下)→ツバス(20~40cm)→ハマチ(40~60cm)→メジロ(60~70cm)→オオイオ(70~80cm)→ブリ(80cm以上)
九州
ヤズ(20cm以下)→ハマチ(20~40cm)→メジロ(40~60cm)→ブリ(60cm以上)
ぶりとおからの和え物
おからと刺身のとても簡単な和え物。おからには大豆の栄養と食物繊維が豊富。こってりしたお料理が多くなる年末、簡単に腸内改善を図りましょう。
ぶりをスーパーで選ぶポイント
身が割れておらず、つやと透明感があるもの。白っぽくなっているのは脂がのっている証拠。特にわかりやすいのは血合い。血合いの色が鮮やかな赤色をしているものが鮮度がよく切りたてのものです。皮が黒ければ背中のみなので比較的さっぱり食べられます。銀色のものは腹側なのでこってり食べられます。
ぶりを美味しく味わうための下処理や調理法、保存法
脂が多く、水分の少ないぶりですが、それでも軽く塩をふり15分程度置いておき、余分な水分をふき取りましょう。臭みが取れ、身の味わいも濃くなります。買ってきたらそのまま冷蔵庫ではなくまず塩をふってから保存を!
日本料理教室講師田村 佳子
栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催
大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。