低脂肪・高たんぱく質な「たこ」の栄養とおすすめレシピ♪

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たこは低脂肪・高たんぱく質で、タウリンと亜鉛が多く含まれています。タウリンは生命活動を維持するのに欠かすことができない成分で、体内にも含まれているアミノ酸です。食べ物からとった場合は胆汁酸の分泌を促進して、コレステロールを分解して排出することでコレステロールや血圧を正常に保ちます。

さらに、疲労回復や肝臓機能の強化、視力低下予防、ダイエットなどに有効です。また、神経を休める効果のあるアセチルコリンも含んでいます。亜鉛は不足すると味覚の低下などの原因となるため、たこを食べることで不足を補い、予防や回復に効果的です。

たこのやわらか煮

たこのやわらか煮

たこは低脂肪高たんぱく質なのでダイエットに適しています。多く含まれているタウリンにはコレステロールの分解排出を促す作用もあり、さらに効果的です。他にもたこには疲労回復や肝臓機能の強化、味覚感覚の低下予防など多くの効能があります。お酒を飲む方や、夏ばての方へ、やわらかく煮るので胃腸への負担も軽くなりおすすめです。

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たこの種類と旬

  • 国産まだこ

日本では中部より南部でとれます。夏は瀬戸内海や九州地方などの関西以南、冬は以北で主となります。

  • みずだこ

北太平洋が主な生息場所です。日本では北海道産が主流です。

  • いいだこ(卵が入っているものが高価です)(産卵期:2~5月)

体長は最大30cmにもなり、東アジアの浅海に分布、二枚貝などを棲家にしています。いいだこの卵が、ご飯に似ている事が名前の由来で、産卵前、冬季の卵を持ったメスだこが珍重されます。煮物、酢みそ和え、鍋、おでん、炒め物揚げ物などに使われます。

たことオクラのからし和え

たことオクラのからし和え

オクラのぬめりにはコレステロールや血圧の低下に働き、動脈硬化、高血圧、糖尿病の予防、便秘や下痢などの整腸作用も持っているペクチンがあります。ヘルシーなたことあわせてデトックス効果を高めましょう。

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たこをスーパーで選ぶ際のポイント

生だこの場合

生きているものが一番です。活け〆で動いていなくても、鮮度がよければポンとはじくと身が引き締まり色が変わります。灰白色が一番鮮度がよく、次は褐色になり、さらに鮮度が落ちると薄い色に変わっていきます。また、吸盤が吸い付くものが鮮度がよいです。

ゆでだこの場合

足がかたく巻いていて、皮が破れたりむけたりしていないものを選びましょう。輸入物のたこは吸盤の中が白く、国産のゆでだこは小豆色で吸盤の中も薄く色付いています。これは同じまだこでも、生活環境や食性、ゆでたときの湯の硬度の差やph、ゆで方自体の違いなどが影響しています。輸入物のゆでだこは基本的に冷凍ものであり、食感やうま味、香りも劣ります。価格に大きな差がありますが、国産のゆでだこをおすすめします。

たこと夏野菜のくわ焼き

たこと夏野菜のくわ焼き

たこに含まれるタウリンはコレステロールや血圧を正常に保ち、疲労回復や肝臓機能の強化に有効です。また、味覚機能の低下を防ぐ亜鉛を多く含みます。トマト、なすなどの夏野菜は、体のサビを防ぎ、老化を予防する働きがあると言われています。

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たこを美味しく味わうための下処理や調理法、保存法

生だこの場合

片栗粉やぬかでよくもんでぬめりを取り、よく洗ってから調理します。塩でもみ洗っても臭みは取れますが、皮に傷か付いてしまい、ゆでたときや、特にやわらか煮のときには皮が裂けてしまいます。冷蔵の場合の保存期間は1~2日程度。ジッパー付きポリ袋に入れて冷凍する場合は1ヶ月が目安です。

ゆでだこの場合

そのまま使えますが、臭みが気になる場合は塩水で一度洗ってから使うとよいでしょう。水で洗うと香りも味も抜けてしまうので気を付けてください。冷蔵保存で2~3日。冷凍は可能ですが、輸入物のゆでだこの場合、基本的に冷凍解凍のものです。さらに冷凍すると風味もうま味もかなり落ちると考えておいてください。冷凍保存の目安は1ヶ月です。

たこ墨といか墨

「いか墨パスタ」があるように、いかの墨はおいしく調理されています。が、たこの墨は調理されません。それはなぜか。墨の特徴がまったく違い、たこ墨はおいしくないからです。いかは水中を泳いでおり、敵に襲われた時、墨を吐いて逃げ、あまり溶けない墨を出すことで自分の分身を作ります。その墨がおいしくよい香りがするため、敵はそれを食べ、その間にいかは逃げることができます。たこは海底に住み、分身を作っても岩の間などでは効果がないため、水によくとける煙幕をつくり隠れて逃げるのです。その時にくさくてまずい煙幕を出すことで敵を驚かせてひるませ、隙を作ります。ですから、たこの墨はおいしくないのです。生から調理する場合は墨が破けて出ないように慎重に、また、決して調理して食べようとは思わないでください。

日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

旬のお魚レシピ

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