しょうがの栄養と身体を温めて免疫力アップにおすすめレシピ

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しょうが特有の栄養はジンゲロールとショウガオール。ジンゲロールは生のしょうがに多く含まれており、ショウガオールはもともとほとんど含まれておらず、加熱や乾燥させると増える特徴があります。

ジンゲロールは食べはじめにくるピリッとした辛味成分で、免疫力を高める作用が強く、殺菌効果や胃腸の調子を整え、風邪や食欲不振に効果が期待できます。また、血管を拡張させる作用があり、末端まで身体体を温めてくれますが持続力はありません。熱を発散させ発熱の際の解熱作用があると言われていますので、反対にからだの芯を冷やしてしまうことがあります。

ショウガオールは、血行を促進し身体の芯から温めて、じわじわと冷えを解消、持続して身体を温めてくれます。抗酸化作用が強く、新陳代謝が促進され、ダイエット効果も期待できます。
ふたつの効能を組み合わせれば、持続的に身体の芯から末端まで温め、新陳代謝が促進され、免疫強化にもつながる効果が期待できます。

しょうがの旬と、おいしいしょうがの見分け方

しょうがの旬

新しょうがは収穫したてのしょうがの事で、6~8月に出回っています。ですが、これはハウス栽培のもので、本来、しょうがの収穫の時期は10月中旬から12月にかけて。この時期に新しょうがが出るのですが、初夏から夏にかけてのイメージがあるのであまり一般的には出回りません。このしょうがは数ヶ月寝かして土しょうが、ひねしょうが、ねしょうがなどと言われて一般のしょうがとして通年流通しています。

おいしいしょうがの見分け方

シワや傷がなく、ふっくらと肉厚で張りつやがよいもの。色が黄金色で、しましまのふしが等間隔のものがよいものです。小さなものや、細いものは繊維質が多いので、できるだけ大きなかたまりのものを選んでください。

簡単あっさり和食で寒さ対策を!

しょうがみその豆腐田楽

しょうがみその豆腐田楽

しょうがに含まれるショウガオールとジンゲオールには身体を温めて免疫力向上に役立つとされており、簡単に、このしょうがみそをのせるだけで冷え性改善のメイン料理ができあがります。豆腐に含まれるイソフラボンや良質たんぱく質もとれる、女性におすすめのレシピです。

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しょうがの種類

土しょうが

一般のしょうがとして出回り、秋口から冬場にかけて収穫し、数か月間貯蔵してから流通しています。また、土付きの状態で低温貯蔵庫にて保管してあるので、1年を通して手に入れることができます。貯蔵中に、乾燥から身を守るために、酵素の働きで皮が飴色に変色し、辛味成分も徐々に増え、薬効成分も高いものが土しょうがです。ひね(古根)しょうが、囲いしょうがとも言われています。

新しょうが

6~8月にかけ収穫された、新しい新鮮なものが流通しています。通常のしょうがより繊維がやわらかく独特の辛味はやや控えめで、シャキシャキとした食感と爽やかな香りが特徴です。薄切り、千切りなどで具材として調理することができます。

その他

大しょうがより黄金色で、調理後も退色しにくく、辛味成分がより多く含まれており、繊維質が少なくおろしやすい「黄金生姜」や、辛味成分が辛すぎるほど豊富のため、サプリメントなどに利用されている「金時生姜」など、様々なブランドがあります。

寒気がした時に!身体を温める即効性を求める方へ!

しょうが湯のしょうがシロップ

しょうが湯のしょうがシロップ

しょうがを炊き込むことで、ジンゲオールの血管を拡張させて末端を温める効果が期待できるだけでなく、身体の芯から発熱して温める効果のあるショウガオールをたっぷり摂取できます。しょうが湯は、エネルギー源になる糖分も含まれているので、これだけでほかほかにする効果が期待でき、冷え予防に役立つレシピです。

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しょうがの保存方法

常温or冷蔵保存

しょうがは水に当たると傷みやすいので、必ずよくふいて、保存してください。保管適温は14~15℃なので、冷蔵庫の「野菜室」では冷え過ぎてしまいます。大量にある場合や、長期間保存する場合は、新聞紙に包んで冷暗所で保存するとよいでしょう。夏場や、カットしている少量の場合は、ザルがついているサンドイッチケースなどに裸で入れて冷蔵保存すると水が回らず気軽に保存できます。乾燥していくので、1週間以内で早めに使い切ってください。

冷凍保存

おろして保存する場合は、保存袋に薄く板状にのばして冷凍すると、必要分だけ割って利用できて便利です。 また、購入したかたまりのままラップをしたり保存袋に入れて冷凍しておくと、必要な時に凍ったまますりおろして利用することができます。とても細かくなめらかにすりおろせるので、おすすめですが、凍っているので大量に必要な時は時間がかかります。量が必要な場合はおろしてから冷凍の方が重宝するでしょう。薬味程度ならかたまりのまま冷凍しておいて、必要分おろしたらまた冷凍庫に戻して使っていくことをおすすめします。

加工保存

大量にしょうががある場合は加工するのもおすすめ。薄切りを乾燥させてミキサーなどで粉末にすればできあがります。酢しょうがは、薄切りまたはみじん切りにして好みの酢に保存瓶でつけておくだけ、しょうがみそは少し手間がかかりますが使い勝手が良いのでぜひ作りおきの保存食として利用してみてください。

ヘルシーなお肉で身体を温めて免疫強化を!

しょうがシュウマイ

しょうがシュウマイ

しょうがに含まれる、ショウガオールとジンゲオールが身体を温め、免疫強化の効能が期待できます。また、豚ひき肉の良質なたんぱく質が免疫細胞の材料ともなり、さらに効果的な組み合わせな料理です。お肉の半分は玉ねぎとえのきたけなので、カロリーを気にする方にも最適です。

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しょうがを美味しく食べる調理法~目安は卵1個程度の大きさで60g~

皮をむく?むかない?

皮の近くが香りが強く、辛味成分も強いので皮もよく洗ってぜひ食べてください。気になるようでしたら包丁ではなくスプーンやアルミホイル、たわしを使ってできるだけ薄く皮をそぎ落とすことをおすすめします。

おろし方

おろした時に、しょうがの断面やおろし器に繊維がたくさん残ることがあります。切れ味だけでなく、しょうがを斜めにすりおろすと、繊維が切れずに残りやすいからで、きれいにおろすには繊維に直角にあててあげるとよいでしょう。しましまのふしに対して直角に繊維があるので、意識してみてください。

千切りの方法と使い方

千切りにするときは、繊維に沿って切るとシャキシャキと、繊維を断ち切るとやわらかく食べることができます。好みで切る方向を選んでみてください。料理に使う場合は、煮物や炒め物ならそのままで使いますが、薬味など香り付け、トッピングに使う場合は切ってからサッと洗って、洗い針しょうがにして使用します。できるだけ細く切って使ってください。

臭み取りに使う場合は

臭み取りに使う場合は、むいた皮や、切り落としたまわりの部分でかまいません。しょうがの香りをつけることで、肉や魚の臭みが緩和され、美味しいお料理を作ることができます。しょうがの端を切り落としたり、皮をむいたりしたときは必ず捨てずに、冷凍ストックしておくと、料理に使えるのでおすすめです。しょうがの香りを料理に残したい場合は、加えるタイミングを後にすればするほど香りが残ります。はじめから加える必要はないので、自分の好みのタイミングを探してみてください。

鍋でポカポカしょうがで持続!

鶏しょうが鍋

鶏しょうが鍋

鶏のうま味たっぷりの鍋にしょうがをふんだんに使うことで、独特の辛味成分ショウガオールとジンゲオールが温めた身体を持続してくれます。身体の代謝も改善されて免疫強化の効能も期待できる、夕ご飯にぴったりなレシピです。

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日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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