50代の女性が更年期障害を乗り切るための食事

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年齢を重ね、不眠、耳鳴り、頭痛、めまい、不安感やイライラ、ホットフラッシュなどの症状でお悩みではないですか?これらは、卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することで現れる更年期障害の症状ですが、このような不調があると辛いですよね。更年期障害が少しでも和らぐ食事についてお伝えします。

更年期障害の症状とは?

年齢を重ねると、原因がはっきり分からない、頭痛、めまい、寝つきが悪い、睡眠の質の低下、上半身のほてりやのぼせなどのホットフラッシュ、冷え、肩こり、しびれ、疲れやすい、不安感、イライラ、無気力感等の身体的症状と精神的症状が現れてきます。人により症状は異なり閉経の時期によって更年期症状が早く出たり遅く出たりするそうですが、症状の現れかたはさまざまで個人差があると言われています。

<参考文献>
e-ヘルスネット「更年期障害」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-081.html
公益社団法人 日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/modules/humanplus/index.php?content_id=1

50代になると更年期障害になる理由と女性ホルモンについて

女性ホルモンには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロンン(黄体ホルモン)」の2つがあります。エストロゲンは、皮膚や骨の健康、自律神経の働きを保ち、女性らしい体を作るホルモンで月経~排卵の間に分泌されます。 プロゲステロンは、体温を上げる、子宮の環境を整え妊娠しやすい体を作るホルモンで排卵~次の月経がはじまるまでの間(黄体期)に分泌されます。

卵巣の働きが成熟期(20歳〜45歳)の終わりぐらいから少しずつ落ち、40代半ばあたりから機能が低下がするため、卵胞ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することによって更年期障害の症状が現れます。
老年期(56歳以上)を迎えると、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌がなくなり、男性との差はほとんどなくなり、それまで男性に多かった生活習慣病にもかかりやすくなると言われています。病院での一般的な検査では異常が見られないことが多くあるため、不調の原因が分からない事が多いそうです。「もしかして更年期障害かしら?」と思ったら婦人科、または更年期外来を受診する事も大切です。

<参考文献>
e-ヘルスネット「女性の睡眠障害」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-005.html
日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/qa/menopause/kounenki03/

女性ホルモンバランスを乱す食・生活習慣とは?

ダイエットのために食事を極端に控えるまたは抜く食生活をしていると食事バランスが悪く栄養不足になるため、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
肉、魚、卵、豆類、乳製品などのタンパク質は、ホルモンの材料になるだけでなくエネルギー源になる栄養素なのでダイエットの為にタンパク質を極端に控える、抜く食生活をしているとホルモンバランスが乱れるだけでなく疲れやすくなります。

炭水化物を控えるのもオススメできません。炭水化物もエネルギー源になる栄養素です。不足すると集中力が欠如します。色んな食材を食べて元気に過ごしたいですよね。

食事も大切ですが、睡眠もホルモンバランスと深く関係します。
夜更かしをして、睡眠不足になると交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかず、自律神経が乱れホルモンバランスが乱れやすくなります。
寝る前にスマホやタブレットの明るい画面を見ていると、交感神経が活性化され自律神経が乱れ不眠に繋がります。また、目に光が入ると睡眠を促すメラトニンというホルモンが減少するので寝る1~2時間前までには、使用をやめると睡眠の質が良くなると言われています。

<参考文献>
e-ヘルスネット「炭水化物 / 糖質(たんすいかぶつ / とうしつ)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html
e-ヘルスネット「睡眠」
https://www.educe-shokuiku.jp/news/health/hormone-balance/
一般社団法人日本生活習慣病予防協会
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2016/009022.php

更年期障害を和らげる食べ物

納豆、豆腐、厚揚げ、高野豆腐などの大豆製品に含まれている大豆イソフラボンは配糖体という形で存在していますが、腸内で大豆イソフラボンアグリコンという形となり、それが卵胞ホルモンのエストロゲンと似た働きをするため、更年期障害のホットフラッシュなどの症状を和らげる効果が期待できます。
また、大豆製品には、骨や歯を形成するカルシウムも含まれているので骨粗鬆症予防にもなります。

3食大豆製品のみ食べるなど、極端な食べ方は控えるようにしましょう。過剰摂取すると、ホルモンバランスが乱れると言われています。
大豆イソフラボン(大豆イソフラボンアグリコン)の一日の摂取目安量は、70〜75mgです。

食品に含まれる大豆イソフラボンアグリコン平均含有量
・豆腐(300g)...60.9mg
・おから(200g)...21mg
・納豆(50g)...36.8mg

原料大豆の種類、食品の製造方法などにより含有量は異なります。

一度大量に摂取してしてもすぐに健康被害に結びつくというものではありません。 味噌汁に豆腐を入れる、サラダに蒸しまたは茹で大豆をトッピングすると手軽に大豆製品が摂れますよ。
更年期障害の症状を和らげるにはバランスよく食べることが大切です。大豆製品に主食、主菜、副菜を組み合わせて食べるようにするとバランスがよくなります。料理が苦手な方は、ごはん、納豆、野菜を油で炒めてチャーハンにすると、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素が手軽に摂れます。
これだけ食べればホルモンバランスが整うといった食材はありません。バランスよく食べる事が大切ですよ。是非、日々の生活に大豆製品を取り入れてくださいね。

<参考文献>
農林水産省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/
e-ヘルスネット「カルシウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
内閣府「食品安全委員会」
https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html
成美堂出版 中村丁次監修「栄養の基本がわかる図解事典」2020年03月02日発行

きのこと豆腐の焼きみそだれ

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不足しがちな食物繊維も摂れます。

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納豆高菜チャーハン

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納豆が苦手な方でも火を通すことで美味しく食べられます。

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※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

ダイエットコーチ吉田 理江

栄養士/調理師/料理研究家

飲食店で勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立する。コラム執筆、レシピ開発、料理教室主宰などを経験。現在はダイエットコーチとして活動中。「我慢しない!過度な運動なし!お腹いっぱい食べて綺麗に痩せられる」リバウンドしないダイエット方法を提案し、年間100人以上のサポートを行っている。

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