夏バテ、秋バテの要因はランチの人気メニュー?!

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小島 美和子

管理栄養士小島 美和子

有限会社クオリティライフサービス代表取締役管理栄養士 健康運動指導士 食コンディショニングプロデューサー

夏は暑さから、食事がおろそかになりがちです。パンだけ、麺類だけなど糖質のみの食事や、食事自体を飲み物で済ませてしまうのは、夏のからだをさらに疲れやすく、代謝の低い状態にしてしまいます。また夏太り、水太りという言葉があるように、偏った食生活は体重を増やす要因にもなります。夏に負けない食生活の整え方を手に入れて、秋に疲れを残さないようにしましょう。

暑い夏こそ1日3回の食事をきちんととることが大事

夏は汗をかくので代謝がいいように感じますが、外気温と体温の差が少ない分、実は冬より代謝は落ちやすくなります。そのため、汗をかいてエネルギーを消費していると誤解して、余分に食べると夏太りします。

一方、夏の暑さはからだにとってストレスなので、食事をおろそかにすると栄養素の不足から、いわゆる夏バテを招きやすくなります。

暑くなると料理が面倒になったり、食欲が落ちて食事を抜いたり簡単に済ませる傾向がありますが、暑い夏こそ1日3回の食事をきちんととることが大事です。食欲に合わせて食べる量を増減していると体調は乱れます。

まずは食事の時間が乱れないよう意識しましょう。食事には栄養補給だけでなく、体内時計のリズムを整え、心身をリラックスする役割もあります。落ち着いて食べられるように1日のスケジュールの中に食事の時間を組み込みましょう。

糖質に偏った食事は疲れを招く原因にも

食事のリズムを整えたら、次は中身です。栄養素を過不足なくとるための基本は毎食できるだけ、穀類の主食、主菜、副菜のそろった献立にすることです。

そばやうどん、パスタやサンドイッチ、カレー、丼ものなど、簡単に済ませる食事の多くは糖質に偏り、糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1を消耗します。ビタミンB1は疲労物質の分解に必要なので、糖質に偏った食事はビタミンB1の不足から疲れを招きます。

更に、食後の血糖値を上げやすいので、血糖値が下がるタイミングで眠気を感じやすく、これが暑さと重なって、全身のだるさにつながることも。食後に眠くなるという人は糖質に偏った食事になっていないか確認してみましょう。

また、夏はアイスクリームなど冷たくて甘いものが多くなりがちですが、こういったお菓子類のとり過ぎも、同様のことがおこります。

夏が旬の野菜や果物は暑さのストレスで消耗するビタミンCや、汗で失われる水分やカリウムなど、夏のからだに効く栄養素が凝縮しています。副菜や朝食に果物を添えるなど、たっぷりとることで代謝を維持し、よい体調で過ごせます。

また、肌や髪のダメージを修復するのに必要なたんぱく質はとりだめできないので、忘れず1食1皿添えましょう。

夏に負けない食生活は
・1日3食のリズムは守る
・糖質のみの食事にしない
・旬の野菜や果物の栄養をチャージ!
・たんぱく質食品も欠かさず

これらのポイントをおさえた、ご飯やパンにちょい足しできる、おかずレシピを紹介します。
お手軽なのにしっかりバランスがとれ、夏のからだの代謝を上げる旬の食材もたっぷりです。

ちょい足しできる、夏に負けないおかずレシピ4選!

かぼちゃとオクラのサブジ

かぼちゃとオクラのサブジ

水を加えない蒸し煮なので、かぼちゃとおくらの栄養が丸ごととれます!緑黄色野菜にはビタミンA、C、E(エース)という抗酸化作用の高いビタミン類が豊富に含まれています。

サブジとはインド料理で野菜の蒸し煮のこと。スパイスを効かせた味が暑い季節にぴったりです。野菜の水分だけで蒸し煮にするので、ふたのある厚手の鍋で作りましょう。油の量が多いように思えますが、減らすと焦げやすくなります。余分な油は、鍋底に残るので、その油を盛りつけなければ、少し油を控えることができます。辛さはレッドペッパーとガラムマサラの量で調整してください。

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しし唐辛子と豚肉の甘酢あん

しし唐辛子と豚肉の甘酢あん

ししとうには、ストレスで消耗するビタミンCが豊富に含まれており、辛味が代謝を高めます。疲労回復効果の高いビタミンB1の豊富な豚肉との組み合わせが疲れた体におすすめです。

ししとうは穴をあけて揚げると、油はねを防ぐことができます。揚げ過ぎは色が悪くなるので、色が鮮やかになったところで取り出します。

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玉ねぎたっぷり あじのエスカベーシュ

玉ねぎたっぷり あじのエスカベーシュ

あじに豊富なEPAは血液をサラサラにして血栓を防ぎ、玉ねぎのにおいの素であるアリシンは血栓を溶かす働きがあるといわれています。動脈硬化の予防に役立つふたつの組合せです。

あじと玉ねぎの組み合わせは血液サラサラ効果大!あじは少し長めに揚げて香ばしく、玉ねぎはさっと揚げて、歯ごたえが残るようにします。あじと野菜は長時間漬け込むとさらにおいしくなります。

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トマトと炒り卵のサラダ

トマトと炒り卵のサラダ

トマトに豊富なビタミンCと、卵のたんぱく質は合わさってストレスを感じた時に体内で放出される抗ストレスホルモンの材料となります。ストレスに負けない身体作りにお勧めです。

チーズを加えたいり卵がふんわり優しいサラダ。いり卵は半熟程度で火を止め、余熱でサッと火を通すようにするとふんわりやわらかいいり卵になります

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