マグネシウム
- 働き
- マグネシウムは300種以上の酵素の活性化に関わり、エネルギーの代謝、たんぱく質の合成などを助けています。マグネシウムの約6割は骨に含まれていて、骨や歯の構成成分にもなっています。またカルシウムとバランスを取って、神経の興奮を抑えたり、血圧の維持、筋肉や心臓を正常に機能する働きも担っています。
- 特徴
- カルシウムとマグネシウムは、互いに深く関わっています。カルシウムの過剰摂取はマグネシウムの吸収を阻害し、マグネシウムが不足するとカルシウム本来の働き(筋肉の収縮)がうまくされなくなります。また不足したマグネシウムを骨から補う際には、カルシウムを一緒に溶出させてしまいます。体内でのカルシウムとマグネシウムの比率は2:1がよいとされていますので、マグネシウムの摂取と同時にカルシウムの摂取を考慮しましょう。
- 不足すると
- マグネシウムの不足は、体内のミネラルバランスの乱れを招き、筋肉痛、手足のしびれ・けいれん、イライラなどにつながります。長期的に不足すると、心疾患、骨粗しょう症、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まるとされています。
- 摂りすぎると
- 過剰摂取は通常の食事ではまず心配ありませんが、サプリメント等で大量にとった場合は下痢が起こります。腎機能障害がある場合には高マグネシウム血症になりやすく、ひどければ心停止を起こしますので注意が必要です。
- 主な食材は
- マグネシウムが多く含まれる食品は、ナッツ類、海藻類、魚介類、野菜類、豆類、玄米などです。肉類や乳製品には少なく、日本人は昔から、穀類・植物性食品を中心にマグネシウムを多く摂ってきた民族であるといえるでしょう。
- 上手な摂取方法
- リンやカルシウムを多く摂り過ぎるとマグネシウムの吸収が阻害されます。私たちの食生活はリンを過剰摂取する傾向にあるので注意しましょう。アルコールを飲む方はマグネシウムが排出されやすい傾向にあります。おつまみにはマグネシウムの豊富なナッツ類を組み合わせるとよいでしょう。適度な運動も、骨を作る細胞の活動が活発になり、マグネシウムの吸収率をアップさせるのに効果的です。