栗の栄養と疲労回復におすすめレシピ

栗にはカリウムが豊富で、更年期に気になる高血圧や動脈硬化などの予防効果が期待できるうえ、造血作用のある葉酸も豊富なので貧血予防などにも最適です。また、他のナッツ類より脂質が少なく、でんぷん質が多いのが特徴で、たんぱく質やビタミンA、疲労回復に役立つビタミンB1、老化防止に役立つB2、ビタミンC、食物繊維やミネラル類も豊富です。
このように栄養バランスが整っており、特に疲労回復に効果的な食材とされています。疲れがたまりやすい季節の変わり目に、疲労回復をして活力アップするには、栗を取り入れた料理はおすすめです。
特に疲労回復に役立つビタミンB1が豊富な豚肉などと組み合わせると、たんぱく質もとれてさらに効果的でしょう。
栗の旬と、おいしい栗の見分け方
- 栗の旬
栗の収穫シーズンは9月~10月ですが、11月以降も流通しています。これは熟成栗と言われる低温貯蔵した栗で、しっかり管理されたものは収穫時より甘味が強くなっており、おすすめです。
- おいしい栗の見分け方
鬼皮につやとハリがあり、色が濃く、ふっくらとしたものがよいものです。古くなると乾燥するので、どっしりと重いものを選んでください。また、下部のざらっとした部分が大きなものがよい栗です。小さな穴が開いたものや、黒ずみがあるもの、押すとへこむものは傷んだり虫が入ったりしています。よく確認してよいものを選びましょう。
お昼ご飯で活力アップ!
疲労回復のビタミンB1が豊富な栗と豚肉を組み合わせ、栄養バランスのとれた栗がエネルギーのもとにもなり、お昼からの元気をサポート!
栗の種類
- 日本栗
粒が大きくしっとりとして風味が強いのが特徴ですが、実が割れやすくて甘味が少なく、渋皮がむきにくいのが特徴です。100種類ほどの品種があって特徴が様々ですが、ほくほくとした優しい甘さをいかしたお菓子や料理に適しています。
- 中国栗
天津甘栗とも呼ばれており、やや小型で渋皮はむきやすく、実のしまりがよいので割れにくいです。また甘味が強いので、焼き栗に適しています。
- 西洋栗
日本栗より小さめで、渋皮がむきやすく、実がしまって粘りが少ないのが特徴です。マロングラッセなどのお菓子やパンの材料、焼き栗や肉料理の付け合わせに使われています。
ほっこり温まる夕ご飯で明日の元気を!
栄養バランスの整った栗に豊富なビタミンB1が相乗して疲労回復に働き、豚肉も同様の効果が期待できることから、1日の疲労を回復。さらに牛乳に豊富なカルシウムがよい睡眠を促す効果が期待できるレシピです。
栗の保存法
- 生冷蔵保存
栗をそのまま置いておくと、水分がとんで味が落ち、虫に食べられたりと、日持ちはしません。必ず乾燥しないようにポリ袋に入れて、できればチルド室へ。できるだけ低温で保存して早く消費しましょう。栗は低温にさらされると、でんぷんが糖に変わります。鮮度のよい栗ならチルド保存することでより美味しく食べることができます。
- 皮付き生栗冷凍保存
多少風味は落ちますが、皮付きの生のまま半年ほど冷凍保存が可能です。この場合は皮付きのままゆでて調理してください。
- むき栗加熱冷凍保存
むき栗はかたゆでにしてから冷凍すると、1ヶ月ほど保存が可能です。料理やお菓子に好みで使ってください。
体つくりに栄養補給で活力アップ!
栄養バランスの整った栗は疲労回復やエネルギー源、造血作用などが期待できる食材であり、手羽先に豊富なたんぱく質やコラーゲンを組み合わせることで、身体作りや、高齢者の身体機能の衰えを抑える効果が期待できるレシピです。
栗を美味しく食べる調理法~栗1袋(500g)目安~
- 切り方
よく洗い、穂先と葉を茎から摘み取ります。茎は下の1/4を切り落としますが、まだかたければ半分まで切り落としてください。
- ゆで方
たっぷりの沸いているお湯に、塩を1%程度加えて茎を入れ、お箸で混ぜながら1分ゆでます。引き上げ10秒前に、葉を加えてさらにお箸でよく混ぜながらゆがき、時間になったら引き上げます。すぐに冷水で冷やし、軽く絞って水気を取りましょう。
- 刻み方
葉は、食感を残したい炒め物やみそ汁などはざく切りにし、のど越しをよくしたい和え物などは細かく刻むとよいでしょう。 茎はサクサクしているため、細かく切って使った方が食べやすいです。のど越しをよくする時には包丁でさらにたたいてペーストにすることをおすすめします。
- 電子レンジ加熱方
少量をサッと使いたい場合や、時短したい場合は電子レンジを使うこともできますが、シュウ酸が含まれているので、加熱した後に冷水に取ってアクを取り除くことを忘れずに。葉は500Wで10秒、茎は30秒が目安です。
甘いデザートでエネルギーとたんぱく質補給を!
デザートでもたんぱく質を補給して身体の老化を抑えましょう。栗に豊富なバランスのとれた栄養素が、卵に豊富なたんぱく質や、料理の糖質を効率的に代謝させ、エネルギーと身体作りに役立つレシピです。

日本料理教室講師田村 佳子
栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催
大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。