50歳を過ぎたら行うべき、腸活美肌術とは?

50歳を過ぎると身体の機能の低下から健康面や美容面などいろいろ気になる点が出はじめる時期ではないでしょうか?対策として特に重要なことは腸内環境を整えておくことです。腸は免疫に関わる細胞が集まっているため腸内環境を整えておくことは健康作りのベースともいえます。また腸とお肌の皮膚は1枚でつながっていますから、腸をきれいにしておくということはお肌をきれいに保つことにもつながります。健康的に見える顔色、肌のつや、ハリ、くすみなどにおすすめな美肌対策に必要な食べ物とは?
肌が美しい女性とは?
40歳を過ぎたあたりから身体の機能が低下しはじめます。女性は50歳近くなると閉経によりホルモンのバランスが乱れ、体調不良やお肌の老化など身体の変化を感じはじめます。美肌をいつまでも保つためには、肌だけ意識していても維持は難しいです。美肌を保つ基本は身体が元気であることです。元気な女性とはパワーがみなぎり顔色がよく、背筋が伸びてさっそうと歩いているそんなイメージありませんか?身体が元気であるということは栄養素が身体の隅々までいきわたっている状態なので自然と肌もきれいになるのです。
自分もそうなりたいけど、比較したらほど遠い...と諦める必要はありません。選ぶ食べ物を変えたり、食べ方を工夫するだけで、理想に近づくことは十分できます。自分の食生活と向き合い、できるところから取り入れていくのがポイントです。
女性に多い冷えは美の敵
女性に多い手足の冷えなどは血行不良によって起こります。血行不良は顔色や身体のむくみにも関係します。血液には酸素や熱を運ぶ役割がありますから血液がしっかり循環していないことで顔色が悪くなったり、冷えにつながるのです。血行不良は栄養不足や筋力の低下、ストレス、自律神経の乱れなどが原因です。必要な栄養素はしっかり取り入れることが必要です。また冷えは「万病のもと」ともいわれていますから放っておくことはよくありません。冷えを強く感じられる方は食事を見直して対策していきましょう。
冷えを強く感じる場合はエネルギーを作り、体温を上げる炭水化物(糖質)が不足している可能性があります。その他、筋力維持に必要なたんぱく質、そしてそれらの代謝に関わるビタミンB1やB6、さらには血行を促進する働きのあるビタミンEや血液の材料になる鉄を取り入れることが大切です。
■冷え性対策におすすめの食材
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炭水化物(糖質):ごはん、パン、麺類
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たんぱく質:肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品
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ビタミンB1:豚ヒレや豚肉赤身などの豚肉類、うなぎの蒲焼、豆腐や納豆など大豆製品など
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ビタミンB6:マグロ(赤身)、カツオ、鮭、鯖、鶏ささみ、赤ピーマン、ブロッコリーなど
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ビタミンE:アーモンド、モロヘイヤ、西洋かぼちゃ、アボカド、ブロッコリー、ほうれん草、ニラ、大根の葉、かぶの葉、赤ピーマンなど
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鉄:あさり、しじみ、牛もも赤身、豚レバー、納豆、生揚げ、大根の葉、菜の花、小松菜など
組み合わせ方は炭水化物(糖質)+たんぱく質+野菜や果物類を取り入れることです。
■上記の食材で組み合わせた献立例
ごはん+豚ヒレ肉のステーキおろしソース(付け合わせブロッコリー)+あさりとほうれん草ソテー+かぼちゃの味噌汁
このように組み合わせて食事に取り入れてみましょう。
また寒い冬には温かいスープや味噌汁、鍋料理などがおすすめです。また生姜や唐辛子などにも身体を温める働きがあります。
栄養豊富な旬の食材を取り入れ、いろいろな食材を組み合わせて食べるといいでしょう。
<参考文献>
吉田企世子・松田早苗 監修 「正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学」 高橋書店 2021年5月20日発行
飯田薫子・寺本あい 監修 「一生役立つ きちんとわかる栄養学」 西東社 2020年10月30日発行 第2版

ブロッコリーと根菜の酒粕煮
ビタミンB6やビタミンEが豊富なブロッコリーを使った体も温めるレシピ。

えびと冬野菜のカレースープ
カレー粉のスパイスで体が温まります。
腸は栄養素の入り口!健康の要
食べ物からの栄養素は大部分が腸から吸収されます。栄養素に気を使った食事をしても腸内環境が乱れていては栄養素の吸収がよくありません。ですから腸内環境を整えることがまずは大切なのです。最近では菌の多様性が重要ともいわれており、善玉菌優位な多様な菌を保有する美腸を目指しましょう。
腸内環境を整えるためにおすすめな食材は発酵食品です。発酵食品は乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富に含まれています。発酵食品には納豆やぬか漬け、ヨーグルト、チーズなどの食材や酢や味噌、みりん、酒、醤油などの発酵調味料があります。
また食物繊維の豊富な食材は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。スムーズなお通じを目指したい方にもおすすめな栄養素です。
食物繊維は大豆製品や押し麦、ごぼう、キャベツ、モロヘイヤ、おくら、枝豆、南瓜、バナナ、いちご、りんごなどに多く含まれています。
寒い冬はこれらを温かいメニューで取り入れることで身体も温まり、胃腸の働きもスムーズになります。
そして食べ方にも注意が必要です。あまり噛まずに飲み込んでしまうことで胃腸に負担をかけてしまい、腸内環境も悪化しやすくなります。ですからよく噛んで食べるように心がけることが大切です。その他、たんぱく質や脂質が極端に多い食事は悪玉菌を増やして腸内環境が悪くなることが心配されます。食べ過ぎには注意しましょう。
腸がきれいかどうかはお通じでチェックすることができます。健康的な便の色は黄土色、形はバナナでするっと1本で出ること。そして臭いはあまりありません。逆に便が黒やこげ茶、コロコロ便や臭いのある方は腸内環境があまりよくない状態です。
美腸を維持するポイントはこれらの食材を毎食取り入れていくことです。腸内環境が整えば栄養素の吸収がスムーズになり、体の隅々に栄養素が行き渡るようになればお肌も美しく保たれますね。
腸は免疫細胞のおよそ7割が集まっているといわれています。ですから腸は健康においても要ともいえます。
<参考文献>
e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「免疫力を高める食事とは?」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/menekiryokuotakamerushokuji.html
吉田企世子・松田早苗 監修 「正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学」 高橋書店 2021年5月20日発行

雑穀入り春野菜のミネストローネ
雑穀やキャベツは食物繊維が豊富なので腸活にぴったり!体も温まるレシピです。

フライパンで鮭のちゃんちゃん焼き
味噌を使ったレシピ。鮭から良質なたんぱく質が補えます。
フルーツで美腸、美肌を目指す
フルーツには強い抗酸化作用を持つビタミンCが豊富に含まれ、活性酸素の除去に役立ち、お肌を老化から守ります。またビタミンCはお肌の弾力に関わるコラーゲンの合成にも必要な栄養素です。ビタミンCが豊富なフルーツはいちご、みかん、オレンジ、キウイフルーツ、パイナップルなどです。これらのフルーツには食物繊維も含まれているため腸活にもなり一石二鳥です。食後のデザートや間食などにフルーツを加えてみましょう。
50代からの美肌のポイントは諦めずこれらを継続することが大切です。

みかんと水菜のサラダ
みかんはビタミンCがたっぷり。美容サラダレシピです。

白身魚のソテーキウイ添え
ビタミンCや食物繊維が豊富なキウイフルーツは美腸におすすめ。
<参考文献>
吉田企世子・松田早苗 監修 「正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学」 高橋書店 2021年5月20日発行
※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

管理栄養士金子 あきこ
給食コンサルタント/節約美容料理®研究家
東京家政大学短期大学部栄養科卒業
10年以上給食委託会社にて特別養護老人ホームやデイサービス、幼稚園などにて調理や献立作成を行う。赤字を黒字転換する献立作成を得意とする。2015年に独立し給食施設のコンサル業務・レシピ開発・コラム執筆・セミナー講師・メディア出演など活躍中。著書『おなかぺったんこ腸筋レシピ』リピックブック など。