かぼちゃの栄養と美肌や筋力アップレシピ

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かぼちゃは若干カロリーが高い野菜ですが、栄養素に富み、バランスも良く、ビタミンやミネラルが含まれています。特にβカロテン、ビタミンC、Eが多く、抗酸化作用が高いので、美肌やアンチエイジング、免疫力向上と様々な効果が期待できます。

また、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB群も豊富な為、筋肉を作ったり、肌の新陳代謝を高める働きをサポートする働きもあります。
たんぱく質と一緒に食べるとより効果的なので、過剰にならないよう、うまくお料理に組み合わせるとよいでしょう。

体内でビタミンAに変わるβカロテン、ビタミンEは脂溶性の為、質の良い脂を少量組み合わせて調理して、吸収率を上げるとより効果的です。筋トレや、引きしまったきれいな体を目指す方の栄養補充に、是非かぼちゃを食事に加えてみて下さい。

更年期の肌の悩みや美容などのアンチエイジング効果、筋力アップ、免疫力アップにおすすめしたい食材です。

かぼちゃの旬と、選ぶポイント

  • かぼちゃの旬

香りと水分が多く甘みの少ない「日本かぼちゃ」は日本料理屋などで使われ、あまり流通しておらず、一般家庭に浸透しているものは甘みが強くほくほくした「西洋かぼちゃ」です。西洋カかぼちゃは6~9月に収穫され、1~3カ月貯蔵して追熟させて甘みが増してから市場に出るため、美味しい旬は9~12月です。

  • かぼちゃを選ぶポイント

丸ごと1個買うときは、色が濃く、ずっしりしたものを選んで下さい。更にヘタがコルクのようになって硬いものが熟成したよいものです。ヘタの周りを押してみて、柔らかくなっているものは傷みだしているので注意してください。切っているものは、種がしっかり詰まっていて、肉厚で鮮やかな色合いのものを選びましょう。

消化良がよくバランス栄養【かぼちゃ×ささ身】

プルプルささ身のかぼちゃ粥

プルプルささ身のかぼちゃ粥

消化の良いおかゆはヘルシーに朝食を取りたい方に最適。すばやくエネルギーになり、朝から元気に過ごせます。更にかぼちゃと玉ねぎを加えることでお米が少なくて済み、カロリーを抑えるだけでなく、免疫力もアップします。脂が少なく柔らかく調理したささみも消化がよく、かぼちゃのビタミンB群と相乗して筋肉や肌の代謝を促してくれます。すっきり体を引き締めたい方にお勧めの朝食です。

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かぼちゃの保存方法

丸ごとのかぼちゃは、涼しいところで1~2カ月保存可能です。切った場合はワタの部分が速く傷むので、スプーンで削り取って、ラップに包んで冷蔵庫で保存してください。1週間以内に使い切るようにしましょう。茹でたり電子レンジで加熱すると冷凍保存も可能です。

低カロリーで高たんぱく質【かぼちゃ×カッテージチーズ】

 かぼちゃとカッテージチーズのサラダ

かぼちゃとカッテージチーズのサラダ

かぼちゃは脂と一緒に取るとビタミンA、Eの吸収がよくなり、抗酸化作用がより効果的になります。ただ、脂の取り過ぎは禁物。ヘルシーなカッテージチーズとオリーブ油なら、質の良い脂を適度に摂り、乳製品の良質なたんぱく質をしっかり摂取できます。

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かぼちゃの調理方法・食べ方

  • 焼き方・揚げ方

ソテーや揚げ物は、かぼちゃと味わい的に相性がよく、また、ビタミンAやEの吸収がよくなるのでお勧めですが、カロリーも上がります。気になる方は、電子レンジで一度加熱し、火を通してから使用すると、油の吸収率が低くなるので、少しヘルシーに仕上げることが出来ます。

  • 皮の食べ方

皮には食物繊維が豊富で、果肉よりβカロテンも多いので、是非皮ごと食べて下さい。食べにくい場合はところどころ削るようにむくと、硬すぎず食感が良くなり食べやすくなります。
皮をむいた場合は、生で刻んで金平などの炒めものにしたり、電子レンジで加熱するだけでサラダのトッピングや、おみそ汁の具に簡単に加えることが出来ます。適度な食感も楽しめるので、是非捨てずに使い切りましょう。

  • ワタ・種の食べ方

ワタは風味も甘みも強く、トロッとしていてお料理に使えます。軽く洗ったら、おかゆやスープに加えたり、炒めものなどに加えると風味がついて美味しく出来上がります。特に卵料理との相性がよく、卵焼きやスクランプルエッグに加えるなどがお勧めです。
種にはオレイン酸やリノール酸をはじめとする栄養がたっぷり。ぜひ食べ方を覚えて美味しく楽しんでください。まずよく洗い天日干しにしてから殻をむき、フライパンで空炒りすれば食べられます。好みで塩をふっておやつにどうぞ。

ヘルシーにバランスよくボリュームUP【かぼちゃ×鶏むね肉】

カリカリしっとりむね肉ステーキとマッシュかぼちゃ

カリカリしっとりむね肉ステーキとマッシュかぼちゃ

硬くなりがちなむね肉をしっとり、でもまわりはカリカリに仕上げて、美味しくたんぱく質を摂取できます。きれいに体に筋肉をつけて引きしめるには、たんぱく質だけでなくビタミンやミネラルも必要。そこで栄養豊富なかぼちゃを添えることで、筋肉やお肌の代謝を良くしてより効果的になります

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冬至のかぼちゃ

冬至(12月21日~22日頃)にかぼちゃを食べる風習があります。夏に収穫するかぼちゃですが、切らずに丸ごとなら長期保存がきくため、寒さ厳しい冬に栄養価の高い緑黄色野菜を確保するのが難しかった頃、収穫したかぼちゃを冬に食べて栄養をとり、風邪などへの抵抗力をつけたりしたことからこの風習が始まったようです。

また、冬至には「ん」のつく食べ物を食べて「運」を呼び込もうという風習があり、漢字で書くと「なんきん(南瓜)」となるかぼちゃを食べて開運と豊作、健康を願ったと言われています。

良質の脂質とビタミン補給【かぼちゃ×ココナッツミルク】

かぼちゃのココナッツミルク煮

かぼちゃのココナッツミルク煮

おやつには、適度な糖分を取ることで疲労回復を促し、脳や全身ににエネルギーを補充する役割があります。糖質だけでなく、ビタミンやミネラルの豊富なかぼちゃを組み合わせると、代謝がよくなり、より効果的に、また、ココナッツ油のラウリン酸、ビタミンB群、ミネラルによって脂肪燃焼効果も期待でき、筋トレ中もお勧めです。

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日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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