50代からを元気にアクティブに過ごすための食事とは?

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50代に入り、何となく体調がすぐれなかったり、やる気が出ない、不調を感じることはありませんか?小さな不調はこまめにケアをおこなうことで生活習慣病のリスクを防ぎ、毎日を元気でアクティブに過ごすことができます。将来を健康的に過ごすために、必要な食べ物についてお話します。

50代女性は不調を感じやすい?

女性は特に50代前後になると閉経を迎えてホルモンのバランスが崩れ、不調を感じやすくなります。また年齢と共に体の機能が低下して疲れを感じやすくなるだけでなく、偏った食事や欠食、食事制限ダイエットなどにより栄養素が不足して体の機能が低下してしまうこともあります。必要な栄養素が補えないことで、やる気が出ない、疲れやすい、だるさなどの健康面、さらには顔色が悪い、姿勢が悪くなるなど美容面にも影響が及ぶこともあります。これからの人生を元気にアクティブに過ごすためにもっとも大切なポイントは毎日の食事です。毎日何を食べるかが今後の人生に大きな影響を及ぼします。

おこげの海鮮あんかけ

おこげの海鮮あんかけ

体を温めて元気にしてくれるレシピです。

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身体の機能を高める食べ物

私たち人間は毎日食べ物を摂取して生きていますね。食べ物をスムーズに消化吸収して、体の各機関に栄養素が上手く取り込まれて利用される、このように体の機能が高い状態を保つことで私たちの体は元気に動くことができます。40歳を過ぎたあたりから体の機能が徐々に低下していきますが、毎日の食事に気をつけるだけで機能の低下を緩やかにすることができます。
体の機能を高めるためには体温がポイントになります。36℃未満の低体温の方は要注意です。なぜかというと、体温は免疫や体の機能などとも大きく関わっているからです。低体温が気になる方は体温が上がる食事を意識してみましょう。
バランスのよい食事で重要なのが炭水化物です。エネルギー源である炭水化物を毎食取り入れることで体温を高めることができます。炭水化物を多く含む食品はごはんやパン、麺類などです。炭水化物は体の中で熱を生み出して体温を高めてくれます。最近はエネルギーの摂り過ぎは良くないという風潮にあり「低カロリー食品=健康的」というイメージもありますが、カロリーとは体の中に取り入れた際にエネルギーとなる熱量の大きさです。低カロリー食品ばかり食べていたら、体内で熱を生み出せず体温が上がりません。ですから必要な量の炭水化物は食べる必要があります。例えば50代女性の場合、主食のごはんは1食150~200g(※1)必要になります。
体に取り入れた栄養素をスムーズに使えるようにしてくれる補助的な役割にビタミンやミネラルがあります。中でもマグネシウムは300種の酵素反応にかかわるともいわれ、エネルギーの生産や体温調節やホルモンの分泌などにも働いてくれます。マグネシウムはそば(乾燥)、豆腐、納豆などの大豆製品、ほうれん草、バナナ、アーモンドに多く含まれています。

体温が一番低い時間帯は朝です。朝は低い体温を高めるということがとても重要です。朝ごはんを欠食している人は少量ずつで構いませんので食べる習慣をつけることから始めましょう。納豆ごはんやほうれん草入りのお味噌汁などの組み合わせはとても理想的な朝ごはんですね。
体温が上がれば体の基礎代謝も上がるため、太りにくくなるといったメリットもあります。

(※1) 「日本人の食事摂取基準2020年版より 推定エネルギー必要量 50~64歳 身体活動レベルⅡ」で算出

韓国風まぐろのとろとろ丼

韓国風まぐろのとろとろ丼

エネルギー源になるごはんをしっかり食べられるレシピです。

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ノンオイルオムライス

ノンオイルオムライス

余計な脂質を抑えつつしっかり炭水化物が補えます。

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<参考文献>
中嶋洋子監修「改訂新版 いちばん詳しくて、わかりやすい!栄養の教科書」新星出版社
吉田企世子・松田早苗監修「正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学」 高橋書店 2021年5月20日発行

疲れの不調を吹き飛ばす!スタミナがつく食べ物

何となく疲れて元気がない方におすすめなのが、スタミナのつく食べ物です。スタミナのあるものを食べて元気に動ける体づくりを目指しましょう。スタミナをつけるためには肉や魚、卵、大豆製品などたんぱく質が豊富な食品がおすすめです。たんぱく質は細胞をはじめ筋肉を作る材料になります。年齢を重ねても元気に動ける状態でいるためには、筋肉を維持することが大切です。筋肉がしっかりあればアクティブに動くことができますよね。また筋肉があるからこそ骨を守り、転倒による骨折なども防いでくれます。「もう歳だから肉はちょっと...」と粗食になり過ぎてしまうとたんぱく質が不足してしまいます。食事ごとにたんぱく質も加えて食べるようにしましょう。

たんぱく質を多く含む食材の中でもビタミンB1が豊富に含まれる豚ヒレ肉や豚ロースが特におすすめです。さらににんにくや玉ねぎに含まれるアリシンがビタミンB1の吸収を高めてくれます。ビタミンB1は炭水化物に含まれる糖質を代謝するために必要な栄養素です。エネルギーの代謝が活発になれば体温も上がり、体の機能も高まりますね。ごはん+豚肉+にんにく&玉ねぎの組み合わせは元気になれる最強の組み合わせといえるでしょう。

疲れやすい、元気がないなど感じたら、エネルギー&スタミナ不足を疑ってみてくださいね。食べ続けることで必ず体は変わってきますよ。

豚肉の香味じょうゆ焼き

豚肉の香味じょうゆ焼き

ビタミンB1たっぷりの豚肉とビタミンB1の吸収を高めるアリシンの組み合わせはスタミナアップに最適!

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牛もも肉の煮込み

牛もも肉の煮込み

牛肉に含まれるビタミンB1を玉ねぎに含まれるアリシンがビタミンB1の吸収を助けます。

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アクティブな人ほど素敵に見える

しっかり食べ物から栄養素が補給されることで体中に元気がみなぎり、活力を感じられるようになります。体温が上がり、体の機能が高まればいつでも元気に過ごせます。元気がみなぎれば顔色や姿勢もよくなり、素敵さが伝わってくることでしょう。
アクティブに動くということはたくさん筋肉を使うわけですから、エネルギー消費量にもつながります。結果的に体形維持にもなりますね。
生活習慣病の観点から減量しなくてはいけない方もいらっしゃいますが、食事の量を減らし過ぎることで体重は減るかもしれませんが、体の機能や体力も落としやすくなり、これでは本末転倒です。であれば、体の機能や代謝を高めて、アクティブに動き筋肉をしっかり使う生活の方が健康的ですよね。食べ物は薬ではないため即効性はありませんが、長期にわたり気遣うことで将来的に元気で若々しい体が手に入ることでしょう。

エリンギ納豆

エリンギ納豆

納豆から良質なたんぱく質が補えます。

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パエリア風ピラフ

パエリア風ピラフ

栄養のバランスが取れているレシピです。

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※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

管理栄養士金子 あきこ

給食コンサルタント/節約美容料理®研究家

東京家政大学短期大学部栄養科卒業
10年以上給食委託会社にて特別養護老人ホームやデイサービス、幼稚園などにて調理や献立作成を行う。赤字を黒字転換する献立作成を得意とする。2015年に独立し給食施設のコンサル業務・レシピ開発・コラム執筆・セミナー講師・メディア出演など活躍中。著書『おなかぺったんこ腸筋レシピ』リピックブック など。

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